スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2016」。光発電ムーブメント「エコドライブ」開発40周年を迎えたシチズンのブースでは、その技術力をわずか薄さ1mmのムーブメントに結集した「Eco-Drive One(エコ・ドライブ ワン)」を公開していた。ソーラー駆動でありながら、時計としてのケース厚で2.98mmという驚異的な薄さは、来場者の度肝を抜く。なお、記事中の価格はすべて税別の予価で、写真のサムネイルをクリックすると拡大表示となる。

独特の世界観を持つインスタレーションも見事なシチズンブース

Eco-Drive One

Eco-Drive One(エコ・ドライブ ワン)は、シチズンの光発電ムーブメント「エコドライブ」開発40周年を記念したフラッグシップモデルである。40周年というひとつの節目を迎えたシチズンは、「時計の本質とは何か」という原点に立ち返った。そこから導き出した「正しい時間を刻み続ける精度、永続的な駆動、そして腕に纏ったときの美しさ」という結論に従って、開発されている。

Eco-Drive One 限定モデル(AR5014-04E)

限定モデルのサイドビュー。りゅうずも小さいので、指がかりを意識した形状だ

Eco-Drive One レギュラーモデル(AR5000-50E)

Eco-Drive One レギュラーモデル(AR5004-59H)

Eco-Drive One レギュラーモデル(AR5000-68A)

レギュラーモデルのサイドビュー

それにしても、3mmを切るケース厚というのは、想像以上の薄さだ。男性はもちろん、女性の手首にあっても美しい。手に着けてみると、まるで空気を纏っているかのよう。ケースが折れてしまうのではないか……と、心許なく感じるほどだ。しかし「そう見える」からこそ、素材には特に配慮したとのこと。

Eco-Drive Oneには限定モデルとレギュラーモデルが存在するが、ケース素材は、限定モデルが超硬合金といわれるサーメット、レギュラーモデルが表面硬化処理デュラテクトを施したSS(ステンレス・スチール)。ベゼルは限定モデルがバインダレス超硬合金、レギュラーモデルがサーメットとなっている。風防は99%クラリティ・コーティングを施したサファイア・ガラス、防水性能は日常生活防水だ。

通常の時計用モーター(右)と、Eco-Drive One用モーター(中央)、Eco-Drive One専用に開発した二次電池

Eco-Drive Oneのアセンブリー要素

Eco-Drive Oneのムーブメントを構成する要素

よくよく見ると、1mm以下のサイズにも関わらずスクリューねじになっているのがわかる

限定モデルは、ダイヤルカラーがブラック。ケース外径は38.25mmで、バンドはブラックのワニ革ストラップがセットされる。世界限定800本で価格は70万円。レギュラーモデルは、ダイヤルカラーをブラック、シルバー、チャコールグレーの3バリエーションで展開。ケース外径が39.8mmで、バンドはデュラテクトαを施したSSブレス。価格は30万円。いずれも2016年秋発売予定。

組み上げられたムーブメント。厚さは1mm