Windows 10でBashが使用可能に!

Microsoft Windows&Device Group CVPのKevin Gallo氏からは、Bashの公式サポートが発表された。Windows 10をWeb開発のプラットフォームとするため、Visual Studio 2015 Update 2を本日(米国時間2016年3月30日)から提供開始する。実際のデモンストレーションではEmacsやssh(クライアント)が使われていた。

Windows 10で確かにBashが動作している。パスを確認するとSystem32フォルダーが起動しているため、Windows 10内にLinuxサブシステムを搭載したのではないかと推測される

Emacsも起動可能。個人的には「viは? vimはないのか?」とディスプレイの前でつぶやいてしまった

sshによるリモートアクセスもサポート。sshサーバー機能を備えているかは不明ながらも、昨年のBuild 2015で発表したOpenSSHの移植話を踏まえると期待してよさそうだ

Win32アプリ、.NETアプリをUWPへ

昨年のBuild 2015で発表した「Project Centennial」は、Win32および.NETアプリケーションのMSIファイルをWindowsストアで配布可能なパッケージに変換する機能に留まっていたが、その提供が始まる。注意すべきは「デスクトップアプリの配布」であり、「デスクトップアプリのUWPアプリケーション化」ではない点だ。

Microsoftの新たな戦略。Windows 10を開発プラットフォームに位置づけた

詳細はセッション資料を熟読した後にご報告するが、Gallo氏は、Microsoftが買収した「Xamarin」を利用することで、C#によるUWPアプリ、Androidアプリ、iOSアプリの開発環境もアピールした。先のBashサポートなどを考えると、多くの環境向けアプリケーションを開発可能なプラットフォームとして、Windowsを位置づける戦略を選択したと見られる。

共通のソースコード(C#)で、異なるプラットフォームのAPIは.NETライブラリが吸収。各プラットフォームのアプリケーションをWindows 10とVisual Studioで開発可能にする

Xbox Oneは今後も顕在!

Microsoft Windows&Device Group Xbox担当CVPのPhil Spencer氏が登壇したことは、MicrosoftがXbox Oneに注力していることを暗に示している。同氏は、ゲーム開発者にとってWindows 10がベストなプラットフォームであると説明しながら、2016年夏の「Anniversary Update」でXbox OneとWindows 10の連動を強化すると発表した。具体的にはXbox Oneの開発者モードを開放し、Xbox One上におけるUWPアプリケーションの動作環境強化や、DirectX 12対応ゲームの開発が可能になる。

左がXbox One、右がWindows 10。Windows 10上で動作するUWPアプリケーションをXbox Oneで表示、操作しているシーン