『メモ』のセキュリティが大幅強化

iOS 9.3最大の変更点は、『メモ』におけるセキュリティ強化だろう。作成したメモに対し、個別にロックをかけることが可能となったのだ。iPhone/iPadでロック解除を突破することは困難だが(FBIがAppleにロック解除要請している事実からして明らかだろう)、ロック解除後は意外に無防備、ふとした隙に重要情報を盗み見られてしまうとも限らない。メモにロックをかけることができれば、二重のセキュリティになるというわけだ。

手順はシンプルそのもの。対象のメモを開いた状態で共有メニューを表示、下部にある「メモをロック」ボタンを押すだけだ。Touch ID対応モデルの場合、「"メモ"でTouch IDを使用」ダイアログが現れるので、ホームボタンに指を乗せるかロック解除に利用しているパスワードを入力すれば施錠は完了。以降、そのメモの内容を見るときにはTouch IDまたはパスワードでの解錠が必須となる。

メモにかけたロックは、同じApple IDアカウントでヒモ付けられているデバイスにも適用される。Mac(OS X Yosemite 10.11.4)の『メモ』とiCloud.comの『メモ』とも互換性があり、ロック/アンロックはiOS 9.3とまったく同様に動作した。もちろんTouch IDには対応しないが、パスワードは共通だ。

ところで、ロック1つ1つは独立していない。メモに付加する属性は「鍵の有無」であり、鍵が付与された複数のメモのうちどれかをアンロックすれば、すべてのメモが閲覧可能になる。アンロックにはTouch IDおよびパスワード(『設定』→「メモ」→「パスワード」に登録したもの)を利用するが、iCloud経由で同期されるため、パスワード変更による齟齬は生じない。

パスワードまたはTouch IDを利用して「メモ」に施錠できる

共有メニューにある「メモをロック」をタップすれば施錠完了

ロックされたメモを開こうとすると、このような画面が表示される

Mac(OS X Yosemite 10.11.4)やiCloud.comの「メモ」とも完全に連携できる