――先ほど陣内さんから「チームワーク」というお話もありましたが、今回の撮影現場は3人が再共演ということもあり、よいチームワークでしたか?

陣内 みんな楽しんでおやりになっていたように思います。そういえば村上さん、終わった時、ものすごくテンション高かったですよね? 前作の時より終わった時に明るかったから、村上さんってこんなに明るいんだ!ってびっくりしたくらいでしたよ。

村上 結構緊張してたんですよね。今回の方が。

陣内 えっ! 本当ですか!?

村上 ええ。今回この3人は同じですけど、(松田礼人)監督は初めてだったんですよね。で、どんな形になるのかと思ったら、われわれが1作目をやってきたということもあってか、わりとスケジュールがタイトだったんですよ。

剛力 そうですそうです(笑)

村上 だからやりきれるのかな?という不安があって、天候の問題もあったので、とにかく追われて追われてという感じだったんですよね。刑事としては犯人を追ってるんですけど、スケジュールには追われているという(笑) そういった部分で、どこか強迫観念にかられていたようで、終わった時にホッとしたんですよ。

――緊張から解き放たれての喜びだったんですね(笑)

陣内 監督は競馬の調教師の息子らしいんですよ。だから馬を追うように撮影してたんじゃないですか(笑)

村上 ってことは、僕たち調教されて追い込まれてたんだね(笑) われわれより若いので下手には出てくるんですけど、その割に言葉の端々や雰囲気、お辞儀した後の去り際の目の配りとか、ちょっとしたしぐさで結果的に手なづけられたのかも(笑)

――ところで、陣内さんは湖畔のシーンで、蚊に刺されて大変だったそうですね。

陣内 昔、顔を蚊に刺されて、メイクさんに「何やってるんですか! 俳優として落第ですよ!」とボロクソに怒られたことがあって、それ以来、顔には刺されないように気をつけるようにしてたんです。

村上 結構な長回しのシーンで、飛んでる音も聞こえるし、あれはつらいですよね。

(C)テレビ東京

――村上さんと剛力さんも同じ現場にいたのに、刺されなかったのですか?

村上 虫よけスプレーを顔にも、髪にもヘアスプレーのようにやりました。

剛力 スタッフさんが周りにもすごいかけていましたよね。

――それでも陣内さんには効かなかったんですね(笑)

陣内 そう、効かない(笑)

――ほかにも、苦労されたシーンはありますか?

剛力 今回は食いしん坊のキャラクターにしようと話をしていて、歩きながらや、資料を見ながら食べるシーンが多かったんですよ。でも、セリフをしゃべらなきゃいけないので、もう少しガツガツ食べたり、話を遮られて食べられなかったりというシーンを見せたかったなという思いがあります。食べるシーンって、あらためてすごく難しいなと思いました。

村上 人間って本来は食べながらその合間にしゃべっている訳じゃないですか。だから食べることを主にすればいいんですけど、どうしても芝居ではしゃべりが主になる。その辺りをうまくやるのが難しいんですよね。

陣内 ガッツ石松さんがうまいですよね。野性的な人は、きっと食べながらしゃべるのがうまいんですよ。

村上 小林桂樹さんが映画『椿三十郎』に出られた時に、食事しながらしゃべるシーンがあるんですよ。それが非常にすばらしいんです。黒澤(明)監督にも「食べながらしゃべるのうまいね」と言われたとおっしゃってました。あれはなかなか絶品でしたね。

――役者さんならではの視点ですね。今回で3人の共演は2作目となりましたが、次の第3弾も期待したいです。

村上 僕は、陣内さんのようなアウトローの一匹狼みたいな役をやってみたいですね。やっぱりそっちの方が消化できる。

陣内 それはありますね。ストレスを発散できる部分が。

村上 気持ちを抑えながら演じるというのは、結構ジレンマがあるんですよね。こういう、つかみどころのないキャラクターを演じていると、1日終わっても何か自分の中に消化不良みたいなものがあったりするんです。でも次第にそれに慣れてきた頃、役に同化してくるんですね。

――次は、村上さんと陣内さんで、これまでとは逆のキャラクターを演じられるのはいかがですか?

陣内 いいですね! 僕が『兵隊やくざ』でいうところの田村高廣さんをやるんで、先輩は勝新太郎さんをやっていただければ。

村上 勝さんねぇ(笑)

剛力彩芽衣装:PINKO、Grosse’