Apple Musicより先行してストリーミング音楽サービスを開始し、このカテゴリの代名詞のようになっているのがSpotifyだ。こちらの状況を見ると、音楽サービスのオープン化という面において、Apple Musicがどうなるべきかを知る「よいお手本」になっていると言える。

前述のDJアプリdjayは、Apple Musicのかわりに、Spotifyとの連携は実現している。djayアプリ内でSpotifyのプレイリストやおすすめにアクセスすることができ、トラックをセットリストに加えることが可能だ。こうした連携は、「膨大なカタログを自由に聴ける」という音楽サービスを一歩進めて、「より積極的に音楽を活用する」という段階へ踏み込んでいるように感じる。

日本では「準備中」の状態が続いているSpotify

音楽をコミュニケーションとして扱う方法も、Spotifyが先行した。同社は「Facebookメッセンジャー」と連携し、音楽のトラックを友人との会話に貼り付ける機能を強化した。Facebookメッセンジャーの連携アプリにSpotifyが追加されており、トラックやプレイリストをメッセンジャーから送ることができるようになった。

しかしこの機能、もともとチャットアプリをリリースしているLINEの「LINEミュージック」では、当初から当たり前のように実現してきた機能だ。LINEミュージックの会員同士であれば、その場で音楽を再生して、聞きながら会話が楽しめる仕組みだ。簡単に言えば、楽曲がスタンプとして機能する、というイメージだ。

これまで、音楽について話すとき、リンクだけでは味気ないため、アルバムの画面をスクリーンキャプチャして友人に送る、という方法を筆者は採っていた。メッセンジャーとストリーミングサービスとの連携で、音楽の共有が一手間軽減された形になるのだ。