NTTドコモはゲームアプリの制作も手がける。そのことを知っている人がどのくらいいるだろうか。ドコモは通信事業者というのが一般的なイメージ。そこに抱くのが「なぜドコモが?」という素朴な疑問だ。ドコモがゲームアプリを手がける理由、役割はどこにあるのか。同社のコンシューマビジネス推進部デジタルコンテンツサービスゲームビジネス担当課長の渡辺英樹氏に聞いた。
ゲームアプリの制作は1年以上前にスタート
今春にリリースされるアクションRPG「Heaven×Inferno」。ドコモとトライエースが"共同制作"したスマートフォン向けゲームアプリだ。共同制作というからには、ドコモも制作に関わる。ドコモがゲーム制作に乗り出した理由はどこにあるのか。
渡辺氏によると、それはシンプルだという。「モバイル通信事業に加えて、新領域で事業展開を図ろうという会社の方針がベースにあります。何でもチャレンジしていく新領域事業のひとつです」(以下、発言同氏)。
ドコモのゲーム事業の始まりは2012年。ブラウザゲームのプラットフォーム「dゲーム」からスタートしている。当初はゲーム制作会社からブラウザゲームの提供を受け、それを「dゲーム」上でユーザーに提供してきた。
今なお、その事業は継続しているが、転機となったは、スマートフォンそしてアプリの利用増加だった。「環境が大きく変わって、ブラウザゲームに加えて、Google PlayやApp Storeといったプラットフォームで展開するネイティブゲームアプリの制作に関わろうということになりました」。新領域事業に乗り出そうという会社の方針のもと、2014年からゲームアプリの制作が始まった。
とはいえ、ゲーム制作には、多くのノウハウが必要になる。今回発表の「Heaven×Inferno」はトライエースとの共同制作になるものの、ドコモがゲーム制作会社に何らかのメリットを提示できなければ、トライエースもパートナーとはなりたがらないはず。ドコモはゲーム制作会社に何を提示できるというのか。