スマホで聴くには専用チューナーが必要
i-dioを聴く方法はいくつかある。スマホで聴く場合は専用のチューナーが必要だ。チューナーは放送波を拾い、Wi-Fiに変換してスマホに送る。スマホ側にはi-dio受信用アプリをインストールしておく必要がある。
チューナーはモニターに応募すれば無償で手に入る。配布台数は10万台規模で、将来は一般向けの販売も始まる見通しだ。i-dioのチューナーを内蔵したSIMフリースマホを家電量販店やネットで購入することもできる。
防災インフラとして普及の可能性も?
受信チューナーの普及には時間がかかりそうだが、一般家庭では意外に早くi-dioの受信体制が整うかもしれない。そう考える理由は、i-dioに備わる防災インフラとしての機能にある。
i-dioを活用した防災情報配信システム「V-Alert」は、自治体が各家庭にi-dio対応の防災ラジオを無償配布し、緊急時には端末の位置情報に合わせた緊急防災情報を配信する仕組み。i-dioの防災情報は通常の番組に割り込む形で配信できるうえ、電源が入っていない端末は電波で強制的に起動させることが可能だ。
藤氏はヒアリング調査などで得た手応えとことわったうえで、V-Alertが4~5年で全国の3割強の自治体で導入される可能性があると話した。V-Alertを導入する自治体は専用端末の全戸配布を行う。端末が普及した後は、ラジオ代わりに普段使いをしてもらえるかどうかが重要になってくる。
防災ラジオのケースを考えると、ラジオに取って代わる存在として、i-dioの受信端末が普及する道筋がみえてくる。そういった意味では、i-dioがカーラジオとしてドライバーに受け入れられるかどうかも重要なポイントといえそうだ。