ポジティブとネガティブの理想的な比率は6:1

上司は、マネージメントのプロですから、部下のやる気を最大限に引き出すのも仕事のうち。それに、プロなら自分をコントロールできて当然ですから、今のままではあなたは上司として失格です。そうなる前に、どうか部下の話を聞いてあげてください。自分の意見を言うために聴くのではなく、部下の言葉を自分事として傾聴してください。それはきっと神の声です。今のあなたにとって、とても大切な気づきがあるはずです。

インターネットやソーシャルメディアの普及によって、人々は深くつながり、社会も会社組織もどんどん透明になってきました。あなたの上司としてのふるまいは、良くも悪くもネット上に記録されてゆく可能性が高いです。大きなしっぺ返しを食らって後悔する前に、オープンな世界になったことを自覚し、あるべきリーダーシップを学ぶことをおすすめします。

参考までに、ひとつお話したいことがあります。ある組織が繁栄するか衰退するかをわけるラインとして、米国の心理学者マルシャム・ロサダ氏が発見した「ロサダライン」という指数のことです。叱ったり無視したりというネガティブなフィードバックに対して、感謝したり褒めたりといったポジティブなフィードバックの数が約3倍以上あると、その組織は繁栄し、それより少なければ衰退する、というもの。ロサダ氏は約10年間にわたる組織業績研究の結果このロサダラインを導き出しました。

ポジティブなフィードバックの方が多ければ、部下は少々ネガティブなことを言われても、受け止めることができます。しかし、ネガティブなことばかり言われれば、誰でも心を閉ざすか、反発してしまうものです。もしあなたがこれからの繁栄を望み、いい組織にしたいのなら、意識的に部下の話に耳を傾け、ネカティブな言葉の少なくとも3倍は、部下に感謝してあげてください。プロフェッショナルなマネージャーは、自らの反応や言葉も的確にコントロールすべきです。その行動があなたの給与の源泉なのです。

ちなみに、ポジティブ:ネガティブの理想的な比率は6:1と言われています。上司のみなさま、ぜひそのレベルを目指し、ポジティブな組織づくりに挑戦してみてください。私もまだまだ未熟ですが、それを目指してがんばっています。