空気清浄機メンテナンスすべし

何年にもわたって、何台もの空気清浄機を使ってきた筆者は、常日頃から空気清浄機メンテナンスの大切さを周囲に説いてまわっている。「メーカーが謳うフィルター寿命を鵜呑みにしないこと」「定期的にフィルターをチェックすること」「汚れが目立ったら新品のフィルターに交換すること」「目に見えるところに付いたホコリは掃除機や乾いた布で取ること」などだ。

加湿器一体型の空気清浄機で、脱臭フィルターにカビが生えていた例。発見した時は思わず悲鳴をあげてしまった。加湿器一体型は内部が高温多湿になりやすく、特に注意が必要。こんな状態で使い続けていると、かえって部屋を汚染してしまう!

そんな筆者宅では、3年以上ブルーエアの空気清浄機「Blueair Classic 450E ダストフィルターモデル」(直販価格は税別76,000円)を常設している。半年ごとのフィルター交換が推奨されており、税別8,000円(直販価格)のフィルターを年2回購入しなくてはならない。ランニングコストは高くつくが、もともと空気をキレイにすることを目的とした機械だ。内部に何年間もの汚れを蓄積した状態で使い続けるのは本来の目的と相反するので、必要な投資であると納得のうえ、受け入れている。

半年ごとにきちんとフィルター交換をして3年。ちょっと気になるのは内部の手入れだ。筆者が使っている450Eは、フィルター交換の際にフタを開けると、ファンやモーターがすき間から見える。しかし、そこまでは手が届かなくて掃除できない。メーカーが推奨するとおりにフィルター交換をしてはいるものの、すき間から入り込んだホコリや、中にはフィルターを通り抜けた微粒子もたまっているかもしれない。

3年使った空気清浄機を開けてみたい!

筆者がブルーエアの450Eを使い続けている理由の一つに、分解清掃サービスが用意されていることも挙げられる。有料ではあるが、往復の送料も含めて税別4,762円で、清掃と保守・点検を専門の技術者が行ってくれるのだ。

そこで今回、このサービスを利用して3年あまり使用した筆者宅の空気清浄機をメンテナンスしてもらうことに。通常は工場にて行われるが、今回は取材も兼ねて、ブルーエアの日本総代理店セールス・オンデマンドの東京都内にあるオフィスで、同内容の作業を特別に実施してもらった。

きちんと手入れしないと、ほらこの通り……(セールス・オンデマンド提供)

まずは外側から汚れを簡単にチェック。作業を担当してくれたスタッフによると、筆者宅の450Eは比較的キレイに保たれているとのこと。プレフィルターは吸気側も排気側も、掃除機で定期的にホコリをとっていたから、その成果だろう。通常、メンテナンスサービスに出される空気清浄機は、外側の網目部分にもホコリがぎっしりと詰まっているのがほとんどだそうだ。

前面のパネルを開けると、すぐにフィルターが現れる。真ん中の白い箱がフィルターだ。目の大きさが異なる3層のフィルターを圧着して作られたもので、かなり厚みがある。ユーザーはこれを半年に1回、新しいものに交換する

扉の内側には簡単に手が届くので、2週間~1カ月に1回ほど掃除機でホコリを取っていた。すき間に残ったホコリを乾いた布でていねいに拭き取っていく。それでもとれない汚れはメラミン製スポンジでこするようにすればキレイになる。サビの原因になるため、水や薬剤は使わないほうがいいとのこと

フィルターはおよそ2カ月前に交換していたが、すでに汚れが目立つ。通常、メンテナンスサービスではフィルターも交換するため、サービス料金のほかに別途フィルター代が必要

いよいよ掃除スタート。外側や目に見える部分は乾いた雑巾でキレイに汚れを拭き取り、それだけでは取れない汚れはメラミン樹脂製のスポンジでこすって落とす。きょう体はスチール製のため、水でぬらした雑巾は避けたほうがいい。水分が残っているとサビの原因となってしまうので、乾いたもので掃除するようアドバイスを受けた。

次に、通常はユーザーが開けられない側のカバーを、ネジを外して解体。ふだんの掃除では手が届きにくいところなので、ホコリがたまっているのが目立つ。吸気口とフィルターの間にある「イオナイザー」という部品は何となく繊細そうなのであまり触れないようにしており、先端にホコリがたまっていた。以前、この部分を掃除機でうっかり吸い込んだのか、一部欠損していることも発覚。清掃と同時に、追加料金ナシで補修もしてくれた。

通常は開けられない反対側のパネルを外す。手入れしにくい場所なので、さすがに汚い! 3年分の汚れがみごとにたまっている