意外と穴場? な目黒不動前
次に足を運んだのは東急目黒線不動前駅やJR山手線五反田駅そばの「レジディアタワー目黒不動前」。
恵比寿や目黒といった人気スポットにほど近い不動前は、瀟洒なレストランや雑貨店が相次いでオープンしている注目のエリアだ。そのため家賃は上池袋の物件よりも平均して2割程度割高となっている。ただし、恵比寿や目黒で同程度の物件を探そうとすると更に2割程平均家賃が上がるので、穴場といえるかもしれない。
1階に住民専用のトレーニングジム、最上階にラウンジと、同物件は共用部が非常に充実している。ラウンジは30階という高層階にあるので、品川の街並みや夜景を一望できる。目黒川も近く、居室の方角によっては有名な川沿いの桜並木を楽しむことができそうだ。
2007年建設、築9年で、契約形態は入居率や家賃が上がっても下がっても、投資法人の収入は変わらない「賃料保証型」。賃貸戸数は358戸で1LDKが4.6割、2LDKが3割を占める。家賃は1LDKが19万円強、2LDKが25万~26万円前後となっている。2015年12月時点での面積稼働率は100%。
芝浦の運河沿い
最後に見学したのは「レジディア芝浦」。前述の2物件と毛色が異なるこちらは、1991年建設の少し古い物件だ。とはいえ、2010年に外壁やエントランス、共用部の大幅修繕を実施しており、見た目は築25年には見えない。
東京湾に続く運河のすぐ隣で、JR山手線田町駅を最寄り駅とする同物件。運河沿いは遊歩道になっており、気持よく散歩が出来そう。
共用部だけでなく、住戸のリノベーションも随時実施されている。水回りの刷新や、細かく区切られていた居室をつなげて大部屋にするなど、新旧居室を比較すると同じ間取りの物件だったとは思えない。
また、2015年3月には学生を対象にしたリノベーションデザインのコンペを実施。優秀賞受賞作品「『マド』との暮らし」(名古屋市立大学芸術工学部/山田大暉、坂田佳隆、築地一哉)を、15階の居室に再現するリノベーション工事が行われ、この春にも入居者を募集する予定となっている。同社によると、リノベーションで物件の価値が上がり、家賃を通常の住居より高めに設定することが出来るため、運用の収益も上がるそうだ。
レジディア芝浦の契約形態はパス・スルー型。賃貸戸数は153戸3DKが6割、3LDKが2割を占めるファミリー向け物件だ。築25年のため家賃は3LDKが18万~19万円前後と、前述の2物件より安めに設定されている。2015年12月時点での面積稼働率は92.9%。
終わりに
投資をしていない人にとっては耳慣れないJ-REITだが、不動産投資よりも簡単に始めることができる。初心者にもわかりやすい金融商品と言えそうだ。また、物件を実際に見てみると、運用に対する具体的イメージが湧くかもしれない。
J-REITはNISAや確定拠出年金、2016年から始まったジュニアNISA枠とうまく組み合わせて運用することも可能なので、不動産による資産運用に興味がある人は、新しい選択肢として検討してみてはいかがだろうか。