2月18日、東京・品川のキヤノン本社にて新製品発表会が行われた。この日、紹介されたのは「EOS 80D」「PowerShot G7 X Mark II」「PowerShot SX720 HS」などに、すでにメディア発表済みのEOS-1D X Mark IIを加えた計8製品。とくに、一眼レフの人気モデルEOS 70Dの後継となるEOS 80Dと、プレミアムコンパクトG7 X Mark IIの発表は完全なサプライズ。国内最大級のカメラと写真の祭典「CP+2016」を来週に控え、楽しみが大きく膨らんだ。

レンズ交換式、コンパクトカメラともにシェアを拡大

発表された機種と発売日、キヤノンオンラインショップでの販売予定価格(税別)は以下の通り。各機種の機能詳細については、それぞれのニュース記事を製品名のリンクから参照いただきたい。

2016年2月に発表した新製品群

最初に登壇したのは、キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 坂田正弘氏。坂田氏は、デジタルカメラの国内市場の現況について「2015年は消費税増税の需要減退が長期化したことで、本格的な需要回復には至らなかった」としながらも、「秋以降は回復基調にあり、レンズ交換式カメラは継続的な市場拡大が可能な潜在需要を十分に有している」と分析。「2016年後半から回復ペースを速められる」と予測した。

キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 坂田正弘氏

2016年、レンズ交換式カメラの出荷台数は167万台となる見込み(キヤノン調べ)

コンパクトカメラについては、市場規模自体は縮小傾向にあるものの、「ここ3年間、平均単価は上昇している」(坂田氏)という。これはプレミアムカテゴリーや高倍率カテゴリーの機種が好調なため。坂田氏は「高付加価値モデルが好調に売れていくことで、今後も平均単価の上昇が見込まれる」と予測する。

坂田氏はここで、シェアについても言及。キヤノンは2015年、レンズ交換式カメラ市場全体でナンバーワンシェアを達成。一眼レフでは50%以上、ミラーレスでもトップ3に食い込んだ。コンパクトカメラ全体では過去最高となるシェア30%に到達。中でもPowerShot Gシリーズは、1インチ以上のセンサーを有するプレミアムカテゴリーにおいてナンバーワンのシェアを獲得した。

「カメラとしての基本性能が高いカテゴリーで良い評価を得ていることは、大変嬉しい」と坂田氏。数値としての実績もデジタルカメラ事業全体で2015年の業績が2014年を上回っており、事業規模は拡大しているという。

コンパクトカメラの出荷台数は依然縮小を続けているが、平均売価は上昇傾向

2015年、キヤノンは一眼レフにおいて過半数のシェアを獲得

コンパクトカメラにおいてもシェアを拡大。特にプレミアムカテゴリーで高い評価を得た

また、今年はオリンピック・パラリンピックの開催年。キヤノンは、リオデジャネイロオリンピック2016日本選手団および2020年の東京オリンピック・パラリンピックのゴールド・パートナーをはじめ、多くのスポーツイベントに協賛。同時に、EOS-1D X Mark IIやEFレンズなどの製品リリースや各会場ブースでのプロサポートにより、スポーツ写真の撮影環境もバックアップ。スポーツとスポーツ写真の両面から、カメラのトップブランドとしての役割を果たしていくという。

イベントへの協賛と写真家への支援、両面からスポーツ文化をバックアップする

EOS-1D X Mark IIもまた、スポーツ支援という役割のひとつ

リオデジャネイロオリンピック2016日本選手団および2020年の東京オリンピック・パラリンピックのゴールド・パートナーも務める