ドコモの11adの使い方の方向性が固まる

今年、ハイエンドスマートフォンに搭載されると見込まれる60GHzのミリ波を使った無線LAN規格「IEEE802.11ad」については、通信速度こそ高速だが、距離が短く障害物などですぐ通信が切れてしまうこともあり、公衆無線LAN的な使い方には向いていない。

NTTドコモとしては、電車や飛行機内での販売や、人が集まる区域などでタッチ式のデジタルコンテンツ販売端末に利用する考えだ。NFCやFeliCaと組み合わせることで決済も同時に行える。ダウンロードは350MB程度のムービーが4~5秒と、かなり高速。現時点では9GHz・4ch使える帯域のうち1ch分(2.16GHz)しか使っておらず、2Gbps程度ということだったが、むしろメモリなどがボトルネックになってこれ以上速度を上げるのは難しいだろう。

dTV/dアニメでの利用も考慮しているそうで、番組の自販機が駅や空港などに置かれる時代がくるかもしれない。登場が楽しみだ

目の動きで好みがわかる?

基礎技術の展示にあったのが、眼球の動きを検出することで「2つ並んだもののうちどちらが好みか」を当てる技術。確率は90%程度ということだったが、試してみたところ見事に言い当てられた。

単純に見ている時間や目の動きだけでなく、意志で制御できない瞳孔の収縮なども見ているのだという

現在は正確性を増すために顔の位置も固定しているが、スマートフォンのカメラでも虹彩のパターンで個人認証ができる時代だ。デバイス側がもう少し進化すれば、スマートフォンでも同様の調査ができるのではないだろうか。やや未来よりの技術だが、大変興味深かった。

この他にも多数の展示があってとても紹介しきれないのだが、運良くチケットが手に入り、会場に足を運べる方はぜひ見に行ってみていただきたい。NTTという巨大なグループの持つ底力がうかがえる展示会だ。

トヨタと共同で自動運転車のアルゴリズム研究を実施中。模型ベースだが6台のクルマがそれぞれ自立してぶつからないように走行するのはなかなか爽快

ユカイエンジニアリングと共同開発中のスマートフォンと接続して通話中にヒョコヒョコ動いたり、表情を変えて「リアル絵文字」のような役割をするアクセサリ「Sidekick」。価格次第だがかなり面白い可能性を秘めたアイテムだ

また、今回発表された内容の一部は、ニコニコ生放送「NTT R&Dフォーラム2016 『想像していた未来』が目の前に!」として18日20時から配信される。会場に行けない方は、こちらで未来の技術を一足早く体験してみてはいかがだろうか。