治療法はカウンセリングを経てしっかり選ぼう

では実際にどのような治療法があるのか、主だったものを紹介しよう。

毛穴レーザー治療

カーボン粒子を含有したジェルを塗布し、レーザーを照射して黒ずみ(角栓)を取り除き、真皮層のコラーゲンを刺激することで毛穴を引き締める。レーザー照射時間は5~10分程度のため、短時間で終わるというメリットもある。「黒ずみ・角栓タイプ」などに対応する。

「黒ずみの角栓は、皮脂と角質の重層化が原因です。皮脂の分泌は必ずあるので、いたちごっこ的なところはありますが、ある程度毛穴をいい状態に戻して、その状態を維持させるようなケアをしていきます」。

脱毛レーザー

メラニン色素に吸収されて熱を出し、その熱エネルギーで毛根・毛包を破壊することで毛が細くなり、見えにくくなる。

CO2フラクショナルレーザー治療

「開大毛穴タイプ」などに対応。レーザーを真皮層に照射することで、皮膚へのダメージを極力抑えつつ、高出力のレーザー照射で肌の入れ替えと皮膚再生を促進させる。コラーゲンの再生を促し、効果的に毛穴を引き締められる。

ケミカルピーリング

表皮細胞の新陳代謝を促す美容法・ピーリング(グリコール酸)で、新しい肌の再生を促す。皮膚のバリアー機能が強化され、肌全体が丈夫になるメリットも。毛穴が白く見える「ざらつき・皮脂つまりタイプ」などに用いる。

「私見ですが、白っぽい毛穴に悩む人の方が皮脂分泌は多いと思います。皮脂が毛穴につまっている場合、つまりを取り除く必要があります。まずはスチームを当てながらマッサージをし、角質を軟らかくしてから毛穴のつまりが気になる所を吸引します。そこでピーリングして代謝を促すという流れになります」。

吸引付きマッサージ

スチーマーを当てながらのマッサージを行う。マッサージにより肌、角栓を軟らかくしてから吸引することでしつこい角栓を吸引除去する。ケミカルピーリングなどを併用すると効果がアップする。

それぞれの治療法が対応するタイプは必ずしも一つではない。場合によっては、「黒ずみ・角栓タイプ」にケミカルピーリングで治療に当たるケースもあるので、事前に医師としっかり相談するようにしよう。

どこに満足感を見いだすかが問題

レーザー治療など、施術の種類によっては術後に化粧のノリが悪くなるなどの「ダウンタイム」(施術してから回復するまでの期間)が生じるケースもある。それでも、服部医師のクリニックには「日常生活に支障がないよう、1~2回の治療できれいにしてください」といった要望をする患者も少なくないという。

その一方で、「『その毛穴をこれ以上よくするの? 』という患者さんもいらっしゃいまして、診察で『ほぼ正常の毛穴ですよ』というケースも少なくないです」。

毛穴トラブルとは、おそらく一生付き合っていく必要性がある。そのため、治療や対策にあたり、どこに「自分の満足感」を求めることが何よりも大事になるのではないだろうか。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 服部英子(はっとり ひでこ)

東京女子医科大学卒業。皮膚科専門医。日本皮膚科学会、日本レーザー学会、日本臨床皮膚科学会、日本アレルギー学会に所属。大学卒業後に東京女子医科大学病院やJR東京総合病院の皮膚科に勤務した後、2005年より南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長を務める。