発表会の最初には、デルの原田氏がコンシューマー向けPCの施策と結果について説明。2015年に原田氏は、「デスクトップのDELL、直販のDELL、法人向けのDELLから、量販店やノートPC、個人向け製品の拡充を行う」と表明していた。
2015年第4四半期のIDC速報値を使い、日本のPC市場がWindows XPサポート終了の反動で10%減と落ち込む中、デルは個人向けの販売数を1.5倍にし、シェアも2.8ポイントアップ。ここ7年でもっとも大きな伸びを示したと、一年間の成果をアピール。直販ビジネスからのシフトではなく、量販店にも力を入れた結果、量販店での成長率が高い。さらに、ノートPCも1.7倍と、大きな伸びを見せた。
デル 執行役員 ビジネス&コンシューマー事業統括本部 ジェネラルマネージャー 原田洋次氏 |
XPサポート終了前の神風需要からの反動でPC販売が落ち込む中、個人向けPC市場の販売台数を大幅に伸ばし、シェアもアップ |
具体的には、直販以外の販売チャネル開拓や取り扱い点数(製品数)の増強を行った一方で、店舗によって品ぞろえを変えたり、従来なら直販優先だった製品を「まず量販店に選んでいただいてから残りを直販に回す」ようにしたりと、考え方をシフトしたそうだ。
社内体制の強化にも着手。外勤の営業部隊を増やし、マーケティング部隊も増強している。さらに、オペレーションや納品体制を見直すことによって、店頭在庫切れを減らしたり、海外開発部門との連携強化で「日本のユーザーが求める機能・性能」を盛り込んだりしてきた。数字を見ると、これらの施策が着実に実を結んでいる。余談的だが、コンシューマー市場はグローバルでも伸びており、特に伸張が大きいアメリカ・中国・インドなどの量販店施策も参考にするという、グローバル企業のデルらしい取り組み方も紹介していた。
ネットブックほど非力ではない - New Inspirion 11
デルの田中氏は、新製品のNew Inspiron 11 3000シリーズ、Inspironマイクロデスクトップ、および1月19日に発表されたNew XPS 12 2-in-1について説明。
「上質・洗練」に該当するのがXPSシリーズで、前年比で2.8倍と大きな伸び。XPS 12 2-in-1は、2016年1月に米ラスベガスで開催されたCES 2016にて、イノベーションアワードを賞を受賞した、世界初のタッチパネル対応12インチ4KノートPCとなる。
屋外での利用を考えて、400NIT(cd/平方メートル)という明るいIGZO液晶を使用。本体にはマグネシウム合金製フレームやカーボンファイバ樹脂を用いて強度を保ちつつ、790gという軽量性を実現した。タッチパネル向けのGorilla Glass NBTも使用している。
エントリユーザー向けに投入するのがNewI nspiron 11 3000シリーズで、1.2kgと軽量なボディに10時間を超えるバッテリ駆動時間を持つ。起動速度と耐衝撃性のためにHDDを排し、下位モデルで32GB eMMC、上位モデルで128GB SSDを採用している。
さらに、個人向けの超小型PCとなるInspirion マイクロデスクトップも紹介。約13cm四方で高さ5cmという、容積0.9Lの筐体だ。2つのディスプレイ端子を備え、デュアルモニタのデモが行われていた。ちなみに海外市場では、CPUにCeleronを採用したモデルは人気があまり高くないそうだが、日本ではエントリユーザーから人気があるということで、今回の新しい「Inspiron」はすべて、Celeronを使用している(一部のモデルはPentium)。
量販店モデルの特徴として、サポート体制も挙げた。国内エンジニアチームによる24時間専用電話対応や、故障時の(翌営業日)訪問修理、さらに他社製品のコラボラティブサポートを含む「プロサポート」によって、安心して利用できる体制が標準になっていることをアピールしていた。
デル クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 本部長 田中源太郎氏。手にしているのはNew Inspiron 11で、薄型でも開けやすいデザインと説明 |
XPSノートの売上は前年比2.8倍と勢いを見せる |
New XPS 12 2-in-1は4Kタッチパネルと高解像度が売り。持ち運びの頻度を考えた堅牢性も魅力だ |
最後に、デルの渡辺氏が春の「新生活応援キャンペーン」を紹介。直販だけでなくすべての「Inspiron」「XPS」「ALIENWARE」購入者が対象となり、最大10万円のJCB商品券が合計85名、特製Quoカード(1,000円分)が650名に当たる。