1日の入院で150万円発生するケースもある香港

このように医療費が高額なのはニューヨークだけではありません。日本人が旅行に行きやすい香港でも、香港の身分証明書がないと受診に約1万5,000円(1香港ドル=15円として計算)。日本語対応の私立病院は医療費も高く、1日の入院で45万円~150万円程度見積もっておかなければなりません。

医療技術も高く、医療費が比較的安めなのがフランス。医師の社会保障協定有無などによって診察料が異なりますが、パリ市内の私立病院でも診察だけなら高くて1万2,800円(1ユーロ=128円として計算)程度です。

しかし医療システムはかなり複雑で、日本の病院のように「初診」「血液検査」「レントゲン」「エコー」などを病院内で一貫して行うことはできず、それぞれ異なる機関で検査を受けなければなりません。仕組みも言葉も分からない旅行者には、診察を受けるのも至難の業と言えるでしょう。

医療事情の予備知識を持ってから海外へ

高額な医療費のみならず、言葉や医療システムの違いを考えても、旅行中に医療機関のお世話にならないよう十分に気をつけましょう。

衛生状態に不安がある国では、飲み水だけでなく歯磨きのうがいもミネラルウオーターでするなど、自己防衛を徹底してください。また、フライト中の機内環境が健康に影響することも確認されています。乾燥を避けるためにマスクをしたり、ストールを首に巻いておいたりするのもちょっとしたコツです。

そして何より、せっかくの旅行を楽しむために、海外の医療事情について予備知識を持って出掛けるようにしてください。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。