北京で"赤色警報"が発令されるなど、収まる気配のない中国の深刻な大気汚染。偏西風によって、その影響が我が家へ及ぶかも……と心配している人もいることだろう。また、これからは花粉症の人にとっても辛い季節。空気清浄機の設置を検討している人も多いのではないだろうか。

PM2.5問題がメディアで盛んに取り上げられるようになって以来、日本で一気に普及した空気清浄機だが、その効果については賛否両論。空気という目に見えないものがキレイになっているかどうかは、誰もが「何となく」でしか判断できないから仕方がない。

筆者宅では、数年にわたって空気清浄機を常設しており、これまでさまざまな製品を実際に試している。もはや空気清浄機のある環境が当たり前になっているので、常々その効果を実感するということはないのだが、空気清浄機が置かれていない知人宅やオフィスに入ると、何となくホコリっぽく感じてしまう。花粉症持ちの知人も、「空気清浄機を設置したら症状が軽くなった」と口をそろえて言うので、やはり一定の効果はあるのだろう。

とはいえ、効果の有無は実感できたとしても、その大小についてはわかりにくい。空気清浄機の性能は統一された基準が日本にはなく、ほとんどの製品においてフィルターの種類やスペック、風量などを目安に選ぶしかない。

一方、欧米では米国家電製品協会が定めた「CADR(Clean Air Delivery Rate、クリーンエア供給率)」という指標が用いられている。空気清浄機が「タバコ煙」「粉塵」「花粉」の3つの汚染物質をいかに取り除けるかを数値化したもので、数値が高いほど部屋の空気を浄化するスピードが速い。この指標を導入している日本のメーカーはまだまだ少ない。

「Blueair Aware」(左)と「Blueair Sense+」(右)。Blueair Awareは空気清浄機本体から独立したモニタリング用のセンサー。Wi-Fi経由でBlueair Sense+、アプリBlueair Friendをインストールしたスマートフォンとつながる

Blueair Awareのてっぺんにセンサーの感知部分がある。ブルーエア製空気清浄機で唯一、PM2.5とVOC(揮発性有機化合物)、CO2、温度、湿度センサーを搭載している

日本で販売されている空気清浄機のうち、CADRを公表しているもので有名なのが「ブルーエア」だ。スウェーデンの空気清浄機専業メーカーであるブルーエアが、空気清浄機の効果をユーザーにとって見える化するため、2015年10月に発表されたのが「Blueair Aware(ブルーエア アウェア)」である。発表当初は12月9日発売とされていたが延期されており、2月18日に直販サイトで発売すると改めてアナウンスされた(後述のBlueair Sense+も同様)。

このBlueair Aware、単体ではPM2.5やVOC(揮発性有機化合物)、CO2、温度、湿度を検出するセンサーでしかない。室内の空気をモニタリングするための、いわば周辺機器のような存在で、同時に発表された空気清浄機「Blueair Sense+(ブルーエア センス プラス)」と、スマートフォンアプリ「Blueair Friend(ブルーエア フレンド)」とつながることで初めてフルに機能する。

センシングをBlueair Awareが行い、その結果を空気清浄機本体であるBlueair Sense+へフィードバック、アプリのBlueair Friendがスマートフォンにモニターと遠隔操作の機能を持たせる。