Google フォトの魅力は
さて、ではライバルとなりそうなGoogle フォトと比較してみよう。
まず価格だが、Google フォトは無料で使える(容量を有料で追加できるがここでは触れない)。Amazonプライム・フォトはプライム会員向けのサービスなので、年間3,900円の有料サービスとなる。この価格分の価値があるかがポイントだ。
次に容量。プライム・フォトとGoogle フォトはいずれも写真は無制限に保存できる。ただし、Googleドライブは写真を1,600万画素まで圧縮し、RAWデータは無制限保存の対象外となる。無制限の対象から外れたファイルも保存可能だが、その場合はプライム・フォトは5GB、Google ドライブは15GBの容量制限がある。
よって、写真を趣味にしており、jpgを無劣化で保存したい人、およびRAWデータを無制限に保存したい人はプライム・フォト一択となる。逆にRAWデータは保存せず、jpgも1,600万画素あれば十分という人は、Google フォトの方が費用がかからないのでお得だ。圧縮されるといっても、普通に閲覧する分には画質の劣化はほとんどない。
デスクトップアプリとモバイルアプリの使い勝手はGoogle フォトが一歩上という印象だ。やはり同期型のフォルダがあると便利だし、Google フォトは優れた検索機能があるので、写真を探しやすい。ここはGoogleならではだ。
また、ストーリーやコラージュといったクリエイティブを自動作成してくれるアシスタント機能もGoogleにしかない。プライム・フォトは良くも悪くもシンプルだ。
こうして考えると、やはりプライム・フォトの唯一にして最大のメリットは「RAWを含む写真データを無圧縮・無劣化で無制限に保存できること」だろう。ここに年間3,900円の価値を感じられるかがポイントだ。
ただし、プライム会員は何もプライム・フォトのためだけにあるわけではない。「無料配送特典」や「プライム・ビデオ」、「Prime music」といったさまざまなプライム会員向けの特典があるため、日頃からAmazonのサービスを利用しているなら決して高くはないだろう。
また、個人的には写真のために外付けHDDを何台も買うくらいなら、プライム・フォトに集約する方が安上がりだし、いつ壊れるかわからないHDDよりも安心できると感じる。また、どこからでも参照できるメリットも大きい。アプリの使い勝手はいまいちだが、これから改善されると期待したい。
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結局のところ、プライム・フォトとGoogle フォトは一長一短で、100%こちらが上! とは言い切れない。
写真の完全なバックアップを望む人やAmazonのプライム会員向けサービスに魅力を感じる人にはプライム・フォトをおすすめするが、普通に高画質で閲覧できればいいという人やRAWデータを必要としていない人、そのほかのサービスにそこまでの魅力を感じない人は、Google フォトの方が価格的にもメリットが大きいだろう。