インターネットを使って、不特定多数の賛同者から出資を募るクラウドファンディング。期間内に目標額を集めれば、プロジェクトが動きだす仕組みだ。この仕組みは新製品の開発からクリエーターやアーティストの支援など様々な目的で利用され、新たな資金調達法として注目を浴びている。有名な海外サービスサイトとして、KickstarterやIndiegogoがあるが、名前くらいは聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
このクラウドファンディングの種類は大きく分けて3種類ある。リターンのない寄付型、金銭によるリターンがある金融型、製品や作品、体験などをリターンとして受け取る購入型だ。先のKickstarterやIndiegogoは購入型にあたる。
日本においては購入型クラウドファンディング大手と位置づけられ、プロダクト系に強いサイバーエージェント・クラウドファンディング運営の「Makuake」(2013年開始)が挙げられる。Makuakeは現在の状況をどう見ているのだろうか。
日本における購入型の市場は?
まず、国内のクラウドファンディング市場の規模について簡単に説明しておきたい。日本でクラウドファンディングのサービスがスタートしたのは2011年で、比較的新しいサービスだ。矢野経済研究所によると、2014年度における国内の市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで前年度比59.5%増の197億1,200万円。この数字だけ見ると成長著しいように見える。
ただし、この大半の約156億円は不特定多数の人に融資を募って金銭的なリターンを行なう金融型のひとつ貸付型であって、購入型クラウドファンディングは約20億円と少額だ。Kickstarterの場合、自社レポート「The year in Kickstarter 2014」によると2014年の調達総額は5億2,900万ドルで、日本円に直すと約618億円。日本の購入型すべてを足してもKickstarter一社と大きな隔たりがある。
購入型クラウドファンディングのスタイルは、ものづくり大国かつコンテンツ大国といわれている日本にフィットしそうに思われるところだが、Kickstarterが2009年にサービスを開始して数百億円規模に達しているのに対し、日本では成長緩やかなのが現状である。