コンシューマー向けプリンタを3カテゴリーに
説明会ではまず、エプソン販売の佐伯社長が新製品の概要やエコタンクの意義について述べた。
コンシューマーユーザーのヒアリング調査によって、「消耗品切れ、交換の手間、印刷コスト」の3点に不満があると判断。比較的印刷枚数の多いユーザーに対し、ランニングコストとTCOを解消するべく投入するのが、エコタンク機とカラリオ V-editionであるとした。
エコタンク機は当初3製品、カラリオ V-editionは1製品でスタートする。反響によって、今後のラインナップ拡充に含みを持たせていた。
エプソンのインクジェットプリンタの歴史。当初はおうちプリントからスタートしたが、多機能、小型化。そしてビジネス市場にも進出 |
エプソン製品の不満三大ポイントは、消耗品切れ、インク交換、コストということがグループインタビューから明らかに |
エコノミーでエコロジー。大容量タンクで手間も減らしたエコタンク機が登場。もともとは新興国市場で改造されていた大量印字機対応がキッカケ |
これまでカラリオがカバーしていた範囲のうち、大量プリントのセグメントをエコタンク機とカラリオ V-editionで補完する |
新製品に関する説明は、セイコーエプソンの久保田氏から。今回の発表はエコタンク3製品とカラリオ3製品だ。エコタンク機はインク交換の手間を大幅に減らし、圧倒的な低ランニングコストを実現した。カラリオは高画質・多機能・コンパクトを継承した新モデルとなる。さらに、スマホ向けの新アプリを投入するという。
エコタンク機に関しては、もともと新興国から提供を開始していた。2013年までに100カ国まで拡大し、2014年には西欧、2015年には北米市場でも投入している。圧倒的な印字コストだけでなく、カラーで6,500ページ、モノクロで6,000ページという大容量タンクを搭載しており、インクを「交換」ではなく「補充」することで、常時印刷可能な状態を維持できるとした。
今回のエコタンク機には、2回分(8本)のインクボトル(ブラック140ml、CMYカラー各70ml)が同梱される。購入時とインク減少時に補充することで、A4カラー文書なら11,300ページ、モノクロでは11,000ページの印刷が可能。補充用のボトルも、ブラックが1,800円、カラー各色が900円(エプソンダイレクト販売価格)と、圧倒的な低コストを実現した。また、カラーモデルにはPrecisionCoreヘッドを採用し、5万ページの耐久性も持っている。ラインナップは、カラー複合機のEW-M660FT、モノクロ複合機のPX-M160T、モノクロプリンタのPX-S160Tとなっている。
カラー複合機のEW-M660FT。ブラックのみ顔料インク。PrecisionCoreヘッドと5万枚の設計寿命も魅力 |
モノクロ複合機PX-M160T/プリンタPX-S160Tの概要。顔料インク採用で印刷枚数も15ipmと比較的高速 |
カラリオの新製品は、2015年秋モデルに搭載された画像補整機能「オートファイン!EX」を備え、写真・テキスト画質を向上させた。6色染料インクを採用するEP-708A、4色顔料インクのPX-048A、そしてカードやロール紙に対応した小型モデルのカラリオ ミー PF-71となる。
オートファイン!EXは、従来は写真の明部のみを補正したものを、暗部の黒潰れも補正するように。テキスト画質は、コピー時の地紋色を消去する背景除去モード(EP-708Aのみ対応)と、細線を強調してわかりやすくする細線強調モード、文字を強調する文字くっきりモードが加わっている。