達人に教えてもらえる
今回は通常の「すきじかん」と同じコースを体験させていただくことに。しかし、氷彫刻なんて今までの人生でまったく通らなかった道なので、いったい何をどうすればいいのか検討つかない……。
と、ここで清水先生から今日作る氷彫刻のお手本を手渡された。
貝を模した氷の皿である。こういう形のお皿、居酒屋なんかで見たことあるぞ。刺し身とかのっかっているやつですよね。
居酒屋の皿と違うのは、すべて氷でできているということだ。つ、冷たい。「それじゃあさっそく作っていこうか」と清水先生。作業場の奥から持ってこられた巨大な氷の塊をチェーンソーで豪快に切っていく。最初にデカい氷塊を見たときは「こんなもん削るの!?」と腰を抜かしかけたが、さすがにこれではなかったようだ。
氷をそのまま触っていると冷たすぎるので、左手に軍手を着ける。さあ、いよいよ氷彫刻にチャレンジだ。
まずはコンパスのような道具を使って大まかな形を書いていく。書いていくといってもコンパスの先で氷を削っているわけだが。
これまでの人生で氷を削った経験のある人は少ないと思うが、作業の途中には清水先生から細かくアドバイスが入るので安心してほしい。
だいたいのアウトラインが決まったら、いよいよノミ(?)で形を作っていく。まずは清水先生がお手本を見せてくれるので、その通りに削っていくのだ。
ここで清水先生のすごさについてもう少し語っておこう。日本では氷彫刻で生活ができるほど稼いでいる人はほとんどいないらしく、清水先生はその数少ないプロフェッショナルのひとり。聞けば誰もが名前を知っている有名ホテルやレストランなどの仕事がひっきりなしに舞い込んでいるようで、海外からのオファーも多い。世界中を飛び回っていて、その合間にこうした氷彫刻のレッスンをしているのだ。そう、めちゃくちゃスゴい人なのである。
今回の体験中にも、某有名ホテルの偉い人から電話がかかってきていたが、清水先生があまりにもフランクに対応するので、電話を切ってから名前を聞いて驚いた。