5位 「ピース又吉が芸人初の快挙!『もう一人の芥川賞』作家もブレイク」
今年7月、又吉直樹の小説『火花』が「第153回芥川賞」に選出され、受賞会見が行われた。会見場には通常の3倍となる約350人ものマスコミが集まり、又吉のみ異例の個別会見が急きょ決定。又吉は「すごいびっくりしたけど、とにかくうれしいです。ウソみたいな感じですけど、金屏風似合ってますかね。なかなかここまで緊張することはない」とひきつった表情で喜びを明かした。芥川賞は尊敬する太宰治ですら取れなかった賞だけに無理もない。
今後はこれまで通り芸人として活動しながら、時間を見つけて執筆するようだが、気になる次作は未定。又吉は「恥をかいてもいいから絶対に書きます」と宣言したが、文学界とエンタメ業界からの期待はかつてないほど大きい。
そしてある意味、又吉以上に露出を増やしているのが、「もう一人の芥川賞」「(又吉)じゃないほう」と呼ばれた羽田圭介。「ぜんぶ金のためにやっている」とホンネで話し、平然と女子アナや女優を口説き、密着撮影では「4~5日張りついて十数分で終わりかよ」と毒づくなど、空気を読まないキャラでバラエティ番組から引っ張りダコの売れっ子タレントになった。
下半期だけで100本近い番組に出演できたのは、「カレーを100人分作って毎日食べる」などの変人ぶりや、クイズ番組でのコテンパンな負けっぷりなど、キャラクターの面白さ。又吉が作家扱いを受ける一方、羽田は芸人扱いなのが実にハマっている。
4位 「空前の芸能界ベビーラッシュ! 堺雅人が菅野美穂に感動メッセージ」
2015年ほど出産の報道が多かった一年は記憶にない。3月に松たか子、安めぐみ、小原正子。5月に中澤裕子、あびる優。6月に絢香、森三中・大島美幸、伊東美咲、くわばたりえ、仁科仁美、後藤理沙。7月に宇多田ヒカル、佐藤康恵、小雪、杉山愛、広末涼子、井上和香、山本聖子、星野真里、東原亜希。8月に上戸彩、菅野美穂、藤本美貴、YUI、みずき舞、ビビアン・スー、佐藤江梨子、おかもとまり、AI、加藤あい。9月に国仲涼子、中村仁美アナ、AKINA。10月に眞鍋かをり、はしのえみ、枡田絵理奈アナ、熊田曜子。11月に蛯原友里、関根麻里、木下優樹菜。12月に後藤真希。
ここまで出産が続くと、"ママタレント"の座やお受験などの争いがし烈になりそうだが、あえて1組をピックアップするなら、菅野美穂と堺雅人の第一子誕生。出産日時や子どもの体重などは非公表なものの、堺の「病院の先生には『随分スムーズなお産でしたね』とおっしゃっていただいたのですが、それでもやっぱり大変そうで、妻の菅野美穂さんはよくがんばりました」「出産がこんなにも痛みをともなうものだということを、今回あらためて妻におそわりました。よく作品づくりが『産みの苦しみ』にたとえられますが、おなじようなことができるか、僕には全く自信がありません。せめて、すこしでも妻にちかづけるよう、精一杯しごとをがんばりたいとおもっています」というコメントが感動を誘った。
いずれの子も、優れたDNAだけでなく、2世タレントになりうるルートを持っているだけに将来が楽しみだ。
3位 「『スッキリ』しない! テリー伊藤の裏切り!?と上重アナのスキャンダル」
今年3月でテリー伊藤が番組を卒業。放送開始から9年間出演し続けてきただけに、ゴルフクラブでスタジオを破壊したり、スケートで腰椎骨折して番組を休んだり、林家テリ平として落語家デビューしたり、18歳のときに発症した斜視を治して生放送で公開したり、新人の佐々木希を不自然なほどプッシュしたり……破天荒な過去の映像が流された。
番組からのプレゼントとして、憧れの人・長嶋茂雄からの「朝から元気な姿を見せてくれるのが、私の励みになりました。とくに明るいニュースを伝えているときのテリーさんの笑顔は、テレビを見ている私たちを楽しい気持ちにさせてくれました」というメッセージが流れると、テリーは涙ぐむ。
さらにエンディングでは、「大学の同級生」の松崎しげるが『愛のメモリー』をテリー版の替え歌で熱唱し、出演予定のないウエンツ瑛士、大沢あかね、本村弁護士、杉山愛、スイーツ真壁らが駆けつける。加藤浩次が「9年前に(極楽とんぼの相方)山本(圭一)がいなくなって、そっからずっとテリーさんと一緒で……正直、寂しいです」と言葉を詰まらせるなど感動の中で、テリーは「またこういう業界なので、みなさんと会えると思いますので、それまでお元気で」と明るく締めくくった。
しかし、そこから3カ月後の7月、テリーは裏番組の『ビビット』にまさかの電撃移籍。「朝の番組を見てくれればいいなと。全局が盛り上がればいいなという思いの中で、また出演しました」「違う自分を見せたい。みんなと違うとらえ方や違う感性を出せたらと思った」と熱く語ったが、どこかしらじらしい。
思わぬしっぺ返しを受けた『スッキリ』だが、テリー以上に誤算だったのは、後任として起用された上重聡アナのスキャンダル。就任したばかりの4月に、「ABCマートの元会長から1億7千万円の高層マンション最上階部屋と、2千万円高級外車ベントレーを与えられた」という疑惑が報道された。そもそも日本テレビは社員の自家用車通勤を禁止しているため、上重アナは規則違反であり、何よりマズイのはABCマートが『スッキリ』のスポンサーであり、癒着疑惑が生じてしまったこと。上重アナはこれらの報道を受けて謝罪したが、いまだ詳細は明かされていない。
テリー伊藤や勝谷誠彦が降板した一方、女性コメンテーターを倍増させるなど、リニューアルで"番組のソフト化"をはかろうとした『スッキリ!!』。しかし、視聴者の気持ちがスッキリしない以上、視聴率が『羽鳥慎一のモーニングショー』に抜かれて3位に転落しがちなのも仕方がないような気がする。
2位 「芸能人とがん。川島なお美さんの急逝と、北斗晶の乳房全摘出」
9月に多くの女性が衝撃を受ける告白があった。「鬼嫁キャラ」でいかにも健康そうな北斗が乳がんを患い、右乳房全摘出手術を受けることを明らかにしたからだ。がん腫瘍は乳頭の真下近くで、直径約2センチ大。毎年検診を受けていたにも関わらず、非常な宣告を受けた北斗は「あまりの恐怖とショックで泣いた」と揺れる心境を明かしつつ、「愛する子どもたちの白髪の生えた顔が見たい。パパと2人で年を取ってもいつまでも手をつないで歩きたい」と手術を決意する。
その後、夫の佐々木健介とともに開いた術後の退院会見では、がんが脇のリンパに転移していたことで医師から「ステージ2のB。5年生存率は50%」と言われたことや、半年間の抗がん剤治療を行うことを明かすなど、全てを隠さずに明かした。隣の健介が「悲しみは家族も一緒なんで、我慢しないで泣いてほしい」と涙交じりで話す中、北斗は「逝くなら先にこの人を逝かさないとダメだと思いました。元気になって戻ってきます!」と力強く宣言。記者から退院祝いの花束をもらい「待ってますから」と言われると北斗の目から大粒の涙が流れた。術後まもない状態ながら、予定時間を超えても質問に答え、記者1人1人に頭を下げて見送る夫婦の姿に、応援の声が殺到している。
北斗のニュースが連日ワイドショーで流れる同時期に、川島なお美さんが胆管がんで亡くなった。川島さんはつい最近まで舞台に出演して笑顔を振りまいていたため、「復帰に向けて療養中」と思われていただけにショックは大きい。
夫の鎧塚俊彦はフェイスブックで「一週間前まで舞台を務め、そして最後の最後まで女優として、女房として人として全力で生を全う致しました。息を引き取るまで川島なお美はやっぱり川島なお美のままでした。本当に立派でした」というコメントを発表。抗がん剤治療を避け、最後まで弱音を吐かず、女優として美しい姿を見せ続けた川島さんの生き様が涙を誘った。
2人のニュースを受けてワイドショーの各番組は、毎日のようにがんの特集を組み、がん検診の受診者が急増。北斗と川島さんの姿が、世間の人々にがんや健康を考えるきっかけを与えたのは間違いない。
1位 「福山の結婚は今世紀最大のサプライズ! 今年も芸能人が結婚ラッシュ」
昨年の「西島、向井、杏、米倉……年末の大物結婚ラッシュ! トップほど結婚する時代に」に続いて今年の1位も結婚ネタ。あの福山雅治や堀北真希がサプライズ結婚したのだから、もう1位に選ばざるを得ない。
福山は絶対に女性との2ショットを撮られず、「一生結婚しない」という見方も強かっただけに、その衝撃度は今世紀最大級。「ウソだよね?」とニュースを二度見した人も多かっただろう。ただ、相手が男女ともに好感度の高い吹石一恵だけに、世間をさわがせたのは、やっかみの声ではなく「福山ロス」だった。
それにしても2001年に知り合ったきっかけが、「吹石の高校卒業記念写真を福山が撮影したこと」というのが、何ともドラマティック。約10年後に再会して交際がはじまり、突然の交際報道、徐々に流れる破局説、そして、吹石の誕生日である今年9月28日に結婚するまでの展開は、さながら連続ドラマのようでもある。福山46歳、吹石33歳の13歳差を感じさせない2人だが、ともに子ども好きで知られるだけに、早期のベビー誕生があるかもしれない。
もう1組の大型サプライズ婚は、堀北真希と山本耕史。驚かされたのは、「20代の清純派トップ女優と、アラフォーの恋多き中堅俳優」という組み合わせだけでなく、「40通の手紙を渡し続けた」「新幹線に押しかけて交際0日のプロポーズ」などのストーカー的な山本のアプローチだった。
2009年に出会ったときには「連絡先すら教えてもらえなかった」という歴史もあり、山本の行動に「ありえない!」「怖すぎる」という批判的な声も多かったのは、アラフォーの男性にしてはペラペラしゃべりすぎたからだろう。結婚後も多くを語らず、2ショットも撮られないなど、ファンを大事にする福山のスタンスは、かつてドラマ『ひとつ屋根の下』で兄弟役を演じた山本にとって、いい参考になるのではないか。
その他にも1月に、東出昌大と杏、染谷将太と菊地凛子、中村獅童と潮田玲子似の31歳女性、佐藤江梨子と身長190㎝浮世絵通男性、チャンカワイとエビちゃん似の製薬会社副社長女性。2月に、はんにゃ・川島章良と24歳女性、徳重聡と高校時代の同級生女性。3月に、観月ありさと建設関連会社社長、YUIと一般男性。4月に、一青窈と4歳年下ギタリスト。5月に、椿鬼奴とグランジ・佐藤大、サッカー日本代表・内田篤人と一般女性。6月に、吉井和哉と眞鍋かをり。7月に、スギちゃんと13歳年下女性、ELT持田香織と徳重聡似のトレーナー、尾野真千子と芸能事務所LDH役員、山岸舞彩と『丸井』創業者孫、松平健と一般女性。8月に、ゴスペラーズ・北山陽一とさだまさし長女のピアニスト・佐田詠夢、澤穂希と元Jリーガー・辻上裕章、山崎弘也と32歳一般女性、上地雄輔と地元の同級生。9月に、国分太一と3歳年下の元TBS社員、戸次重幸と市川由衣、高嶋政伸と14歳年下の大学病院女医、千原ジュニアと20代前半女性、三浦理恵子と40代一般男性、麒麟・川島明と32歳一般女性、ジャングルポケット・太田博久と近藤千尋、プロ野球・中島裕之と相沢紗世。10月に、爆笑問題・田中裕二と山口もえ、鈴木浩介と大塚千弘、釈由美子と沢村一樹似の実業家、桃井かおりと2歳年上の音楽プロデューサー、中田有紀とASIAN KUNG-FU GENERATION・山田貴洋。11月に、吉澤ひとみとIT経営者、ロバート・山本博と20代女性、12月にココリコ・遠藤章造と関根勤の元マネージャー女性などが結婚した。
どの夫婦も、のちのち「私たちは福山さんと同じ年に結婚したんだよ」と言うのではないか。福山の電撃婚はそれほどの特大ニュースであり、少なくとも向こう10年間は語り継がれるだろう。
最後に、今年『芸能まるごと一週間』で紹介した熱愛報道をズラッと並べてみよう。「亀梨と深キョンが2日間のラブシーン撮影で、真剣愛へ発展?!」「綾瀬はるかが松坂桃李との熱愛報道を初めて語った!」「中谷美紀が渡部篤郎との交際を認めた?! 結婚間近か」「トリンドル玲奈と中村七之助が熱愛か! 12月に密会を重ねる」「比嘉愛未と福士誠治に熱愛発覚! 共演続きで急接近」「日本代表主将の長谷部誠が美人モデルと今秋結婚か!?」「バナナマン日村に熱愛発覚! 相手は8歳年下の女子アナ」「佐々木希とアンジャ渡部の連日デート! 事務所も公認か!?」「TAKAHIROと武井咲が熱愛! デートで仰天ソング」「超大物2世カップル誕生か! 松田翔太&秋元梢が"ウルフデート"」「藤ヶ谷太輔と瀧本美織に4年間の密愛発覚!」「国生さゆりが合いカギ交換愛! 相手はメッセンジャー黒田」「次期朝ドラヒロイン・波瑠が塩顔イケメンと熱愛!」「錦織圭が新恋人とアウトレットデート! 年収23億なのにセコイ?」「紗栄子の新恋人は資産2000億円の大富豪! 格上に乗り換えか」「武豊が六本木で美馬怜子アナと恋人つなぎデート」「星野源と二階堂ふみに13歳差熱愛報道。事務所は否定せず」「ホリエモンが17歳年下女優と熱愛。交際期間は1年強」「志田未来と神木隆之介が同級生熱愛」「益若つばさとFukaseが通い愛! 運命のシンクロカップルか」。
芸能人のみなさん、今年も1年間おつかれさまでした。来たる2016年も「めちゃめちゃ驚く」「思わずツッコミを入れてしまう」「腹を抱えて笑える」芸能ニュースをよろしくお願いします。
■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ解説者、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超える重度のウォッチャーであり、雑誌やウェブに月間20本超のコラムを執筆するほか、業界通として各メディアに出演&情報提供。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。