香川県で食べたいものは? といえば誰もが思い浮かべるのが讃岐うどんだろう。2011年には「うどん県に改名しました」というキャンペーンまで掲げ、大々的に讃岐うどんをアピール。今も休日になれば、県外ナンバーの車が押し寄せ、うどんめぐりをする観光客が後を絶たない。

そんな香川県だが、最近力を入れているのは「オリーブ」! 香川県の小豆島ではなんと国産オリーブの3分の1が生産されている。小豆島産のオリーブオイルは全国的にも有名で、あの速水もこみち氏も番組の企画でオリーブ畑を訪れたことがあるという。

最近の香川県ではもはやオリーブをオイルにする、実を加工して食べるにとどまらない。「オリーブハマチ」「オリーブ牛」「オリーブ豚」と次々に新たな食のブランドを繰り出しているのだ。今回は香川県の協力を得て「オリーブグルメ」についていろいろと話を聞いた。

つやつやしているオリーブハマチ

県内で愛される「オリーブハマチ」

「オリーブハマチ」とは、飼料に2.0%以上のオリーブ葉を加えたものを、20日間以上(給餌回数20回以上)与えて育てたハマチのこと。現在は年間24万匹を出荷しており、香川ではおなじみの存在になっている。ちなみにこの取材の前、事前リサーチとして香川県在住の女子大生にきいたところ、「よく食べます、大好きですよ!」とかえってきた。なんとマスキングテープを作っている人もいて、県内でも愛されていることがよくわかる。

ハマチ養殖はもともと香川県発祥。ハマチ養殖80周年の節目のであった平成20年に、新しいハマチができないかと県ぐるみで試行錯誤していたところ、白羽の矢が立ったのが「オリーブ」だ。香川県で盛んに作られているオリーブには、酸化防止効果のあるポリフェノールが多く含まれていた。

そこで、オリーブの葉を飼料に混ぜて与えてみると、時間がたってもなかなか変色しないなど、思った通りの効果があらわれた。さらに、身が引き締まり、脂もしつこくないハマチに育ったという。

どんどん発射される飼料

ハマチが大喜びで食べている姿、おわかりいただけただろうか……

普通のハマチと食べ比べると?

実際にオリーブハマチと普通のハマチを食べ比べてみると、確かに身のコリコリとした食感が大きく違う。また、苦手にする人の多い血合いの部分も生ぐさくない。今回伺ったオリーブハマチ生産者の嶋野文太さんは実は魚が苦手! 好きなものは鶏肉だそうだが、「これなら食べられる」と太鼓判を押していた。

刺し身、煮魚、しゃぶしゃぶと何にしてもおいしい。(料理協力:さざなみ亭)

県庁の方からもイケメンと話題の嶋野さん

ちなみに飼料に混ぜるオリーブを多くしすぎると、ハマチがあやしんで食べなくなったり、身が引き締まりすぎてしまうそうだ。それほど引き締め効果が強いとは、人間で言う置き換えダイエットのようなものなのかもしれない。使用しているオリーブ葉は小豆島産「オリーブ茶」を作る過程で流通したもので、人間でも食べられる。舐めると普通の茶葉よりも苦味が強く、体に良さそうな味がする。これを食べているハマチなら確かに健康になりそうだ。

とても身体に良さそうな味がする