プッシュ通知の集客力を活用

プッシュ通知で番組開始を知らせる

LIVEの視聴者数を増やすには番組の開始を知らせる仕組みが不可欠。LINEはスマートフォンのプッシュ通知機能を活用することで、ライブ動画のリアルタイム視聴にユーザーを呼び込む考えだ。LIVE発表会で舛田淳氏は、既存の類似サービスに対するLIVEの優位性として、LINEのプッシュ通知機能が持つ集客力の高さを強調。友達登録を行ったアカウントからライブ配信開始の知らせが届けば、LINEユーザーはスマートフォン経由で即時にリアルタイム視聴へと移行する可能性が高いとの見方を示した。ニコニコ生放送やツイキャスもアプリからのプッシュ通知を行っているが、「ラインからのプッシュは効果が桁違いに高い(舛田氏)」という。

収益化の根幹は広告収入

LIVEの収益化には、広告、課金、LIVEショッピングの3つの手法を用意する。収益化の根幹と位置づける広告については、動画に広告を差し込む方法やタイアップ番組の配信を想定。広告収入は配信者とLINEでシェアする。動画への課金については、ユーザーが配信者に「投げ銭」としてチップを払うような事業モデルを検討中。LINEは課金時に手数料を受け取る。ショッピングは配信者が動画で紹介した商品をLINEユーザーがアカウントを通じて購入する仕組み。来年スタートする一般ユーザーのライブ配信については、収益化するかどうかも含めて詳細を詰め、2016年早々にも方向性を打ち出す予定だという。

LINEならではの動画配信事業に挑戦

コミュニケーションアプリとしての機能だけを必要とするユーザーも存在するため、LINEアカウントに紐付けられるサービスなら「何でも取り込もうというつもりはない(同社広報)」とするLINEだが、生放送にこだわる動画配信サービスへの参入は、豊富なスマートフォンユーザー基盤と、そのユーザーに対して番組開始をタイムリーに伝えられるプッシュ通知機能という仕組みを併せ持つLINEならではの決断と言えそうだ。ライブ配信に体験共有を望むユーザーを集客しつつ、情報発信の即時性を武器に広告クライアントを取り込めるか。LINEの新たな挑戦が始まった。