かつて宇宙開発といえば国の威信をかけた国家プロジェクトであったが、今ではベンチャー企業の参入が相次ぐ。特に近年では、民間の資金で開発を行い事業化を目指すを例も少なくない。
日本国内においても宇宙ビジネスへの参入は広がっており、高度100kmまで上昇し宇宙空間の弾道飛行に向けた宇宙飛行機を開発しているPDエアロスペースは、2020年末までに有人機の運用開始を目指している。
また、堀江 貴文氏が出資していることでも知られるインターステラテクノロジズは、先のアクセルスペースのような超小型衛星や、サイズの少し大きな小型衛星のための低コストロケットの開発を進めている。
岡田光信氏をCEOとしてシンガポールに本社を置くアストロスケールは東京都墨田区にR&D拠点を設け、自らを「SPACE SWEEPERS(宇宙の掃除屋さん)」として宇宙空間に存在する多数のスペースデブリの問題に取り組む。
エールは、打ち上げた人工衛星からペレットを放出することで指定した日時に夜空に人工の流れ星を輝かせるプロジェクトを進め、2018年のサービス提供を目指している。
国を挙げたプロジェクトとしては、2010年に「みちびき」初号機が打ち上げられた日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星システムが挙げられる。現在は、この初号機を使った技術実証・利用実証段階が行われているが、今後、天頂軌道の2機、静止軌道の1機が打ち上げられ4機体制となって運用される予定だ。誤差が数cmともされるこの準天頂衛星システムは、様々な利活用が期待されている。
2010年代から2020年代にかけては、宇宙ビジネスの幕開けの時代となる。それは産業分野に限らず、個人の生活においても大きな変化をもたらすだろう。今月7日には金星探査機「あかつき」の軌道投入への再挑戦が成功裏に終わった。今日11日には7月から国際宇宙ステーションに滞在していたの油井 亀美也宇宙飛行士が帰還する。遠い宇宙がより身近になる時代が近づいており、その中で日本の持つ技術力を生かした宇宙ビジネスに期待がかかる。