日本刀に見立てた調理演出が

周防大島の名物は「みかん鍋」だけではない。瀬戸内海では馴染み深いというタチウオを使った「タチウオの鏡盛り」も、同島が推進する新名物のひとつだ。関西を中心に"てっぽう"とも呼ばれる下関名物のフグに対して、タチウオを"太刀(=日本刀)"に見立てて調理するのが特徴である。

大迫力! 「タチウオの鏡盛り」

新鮮なタチウオの切り身が大皿にずらっと並んだ「鏡盛り」は、その名の通り、銀色の皮が光を反射してさながら鏡のよう。その刺身盛りに、まずは「鞠みかん」できめ細かな塩を塗布していく。「鞠みかん」は、みかんの皮を鞠の模様のように飾り切りし、棒を取り付けたもの。「鞠みかん」でポンポンと身を叩きながら塩を加える様子が、ちょうど侍が刀を手入れしているように見えるのだという。

「鞠みかん」でポンポンと塩をつける

次は、ガスバーナーを使って「タチウオの鏡盛り」を炙っていく。炙ることで香ばしい風味がつき、皮の口当たりが良くなるそうだ。この工程は、刀匠が刀に焼き入れを施す様子に見立てられている。

タチウオに焼き入れ!

炙って花開いたようになる大皿も見どころだそう

1人前の「手鏡盛り」も

炙った皮の香ばしさが食欲をそそる「タチウオの鏡盛り」は、淡白な口当たりながら引き締まった身の食感と旨味をしっかりと堪能できる一品だ。「鏡盛り」は大皿料理だが、1人前の「手鏡盛り」を用意している店もある。提供店は「みかん鍋」と同じく「スオウオオシマドットコム」にて公開されているので、山口県に立ち寄る際はぜひチェックを!

手軽に楽しめる「手鏡盛り」も

取材協力: 山口県東京売り込みセンター