狭い通路は鬼門?

リビングから廊下へつながるドアを開放した際、一部のエリアには立ち入ることなく掃除を終えてしまうことがあった。これについては不思議に思ってメーカーに問い合わせたところ、狭い通路では目印を見つけにくく、三点法での自己位置の把握が難しくなってマッピングが困難になることがあるそうだ。

断定はできないのだが、広い所から狭い所へ入り込む際に、掃除機自身が「ここは自分には進めない場所」と判断してしまった可能性が高い。360 Eyeは毎回の掃除ごとにマッピングをし直すため、人間にとっては小さいと思うような要因でも結果が変わってくることはありうる。目印を見つけられなかったという原因のほか、光源を背にして進む際に自分の陰を障害物や段差と判断して回避してしまったという原因も考えられるとのこと。こうした問題点については今後もファームウェアアップデートを行うことで随時改善していく方針だ。

【動画】(音声が出ますのでご注意ください) 実際に筆者宅で動く360 Eye。規則正しい動きが特徴的だ

通った場所は床ツルツルに

ナビゲーションについて、少し残念な話をしてきたが、360 Eyeの吸引力の高さはさすがだ。さすがにキャニスター型やスティック型のダイソン掃除機には若干劣るものの、毎分最大78,000回転で運転するモーターは強力。一度通れば微細なゴミもほぼ確実に吸い取り、360 Eyeが通った場所は床がツルッとしていて裸足でも気持ちいい。この長所は武器だといえる。

床に小麦粉をまいて360 Eyeを走らせてみた。通過した場所はみごとキレイになっていく。と思いきや、残念ながら一部取り残しも。こういうときには「もう一度戻って掃除してこい!」と声を掛けたくなる

強力なモーターによる吸引力の高さの反面、バッテリー時間が現状だと短めなのも事実だ。スペック上、1回の充電で連続稼動できる時間は約45分。筆者宅で実際に使用していても、平均40分前後で充電ドックに自ら戻り、充電が完了すると掃除を中断した場所から運転を再開していた。

1回の充電には約2時間半ほどかかるとのことだが、時間帯によっては、不在時に掃除が終了しておらず、ユーザーの帰宅後に運転を再開したり、夜中に突然動き出すということもあり得るので、やはり一度の充電で掃除を終えるのが理想的だ。

たとえ途中で充電が必要になったとしても、稼動させない時間帯を任意で設定できるといった、なんらかの対処をしてほしいところ。というのも、稼働中はテレビなどの音が聞こえなくなってしまうから。360 Eyeに限ったことではないが、在宅時にはロボット掃除機をできれば動かしたくないというのが筆者の本音だ。