駅前広場整備が進む東京駅

「いつ訪れても、常にどこかで何かを建設しているなぁ」。

東京・大手町を歩いたときにそう感じる方は多いだろう。大手町だけではなくそのお隣の丸の内も、2002年に「丸の内ビルディング」、2007年に「新丸の内ビルディング」と立て続けに竣工し、2015年11月現在も東京駅前は「東京駅丸の内駅前広場整備」のためにタワークレーンが並ぶ。

はたして東京駅周辺地区の再開発はいつ終わるのだろうか。今夏、三菱地所が丸の内からみて線路を挟んだ反対側に、地上390mの日本一高いビルを建設すると発表した。つまり当分の間、再開発は終わらないことになる。

「再開発は終わらない」

そこで、東京駅周辺地区の再開発はいつ終わる予定なのか三菱地所に取材してみたところ、「“大丸有”地区の再開発が終わることはありません」と言い切った。大丸有地区とは聞き慣れない名称だが、これは大手町・丸の内・有楽町3地区の頭文字を組み合わせた造語で、同地区の再開発を主導する一般社団法人「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」で使われ始めたという。三菱地所もこの協議会に所属する企業で、この地区にある104棟(建設予定含む)のうち30棟を所有・管理する“大丸有”(以下、丸の内エリア※)最大のデベロッパーである。

※丸の内エリア:大手町・丸の内・有楽町地区の総称(約120ha)

三菱一号館。当時の資料や写真をもとに2009年に復元された。現在は美術館として利用されている

そもそも丸の内エリアは、三菱財閥が政府から丸の内一帯の払い下げを受け、そこに日本初の賃貸オフィスビル「三菱一号館」を建築したのが起こり。以降、丸の内を中心に南側の有楽町、北側の大手町へとオフィス街は広がっていき、2000年以降、東京都と千代田区、JR東日本、同協議会で組成されるまちづくり懇談会が策定した「まちづくりガイドライン」により再開発が加速。現在の街並みを形づくっていった。