みんな笑顔で"元祖バンジー"

サイクリングの終点であるカワラウブリッジにたどり着くと、なんだか橋の周辺がにぎやかだ。というのも、この橋は1988年に観光アクティビティとして初めてバンジージャンプが行われた地であり、現在もこの「カワラウブリッジ・バンジー」(大人195NZドル=約1万5,640円)を体験するために、世界から観光客が橋を訪れている。

クィーンズタウンでアクティビティとなると、まずはバンジージャンプを勧められるのが一般的であり、逆に言うと「クィーンズタウンに来たのにバンジージャンプをしないの? 」という存在でもある。

カワラウブリッジでサイクリング終了。橋の周囲には人だかりが。その目線の先にあるのが「カワラウブリッジ・バンジー」のポイントだ

カワラウブリッジ・バンジーは高さ43mの橋からとなる。個人的にも、そしてクィーンズタウン観光をレポートする立場としても、このバンジージャンプをせずに帰るわけにはいかない、とは思った。ポイント地点に近い橋の上に立ってイメージトレーニングをしたり、バンジージャンプ体験者の話を聞いたり、実際にしている様子を見たりして頑張ってはみた。だが、どうしてもハートが追いつかず、断念してしまった……。

そんな筆者をよそに、みんな楽しそうにちゅうちょすることなく橋から飛んでいく。ちなみに、フィギュアスケートの浅田真央選手もこのバンジージャンプにチャレンジしたそうだが、浅田選手もまた、楽しそうに飛んだそうだ。

バンジージャンプをする人もしない人も、まずは一旦、橋の上から川を見下ろす

バンジージャンプの様子をすぐそばで見てイメージトレーニングをした結果……断念することにした

中にはジャンピングフライをする人もいて、「世界の人々はなんてハートが大きいんだ」と思ってしまったが、経験者いわく「あれは"クレイジー"だ」とのこと。やや安心した。「いままでやってきたアクティビティの中で一番怖かった」と語る人もいたが、こうした絶叫アクティビティが成立するのは徹底した安全管理ができているからこそ。「実際、どんなアクティビティよりも安全だと思う」と地元の人も話していた。

みんなの視線を一身に浴び、とある女性がこの瞬間、英雄になった

バンジージャンプの最後はスタッフがボートでお迎えに来てくれる。この瞬間もきっと、まだドキドキしているのだろう

受付の建物の中にはカフェやショップ、トイレがある。女子トイレの標識は名付けて"バンジーガール"

"絶叫"が駄目でも"爽快"が待っている

ただし、「バンジージャンプをやってみたいけどやっぱり無理だ」という人もいるようで(筆者のように)、そんな人のためにカワラウブリッジではもうひとつの爽快アクティビティが用意されている。「カワラウブリッジ・ジップライド」(大人50NZドル=約4,010円)というもので、こちらは上空から130mを滑走するというアクティビティだ。飛び方はブランコスタイルやスーパーマンスタイル等があり、スリルを求める人にはバックスタイルがオススメだ。

「カワラウブリッジ・ジップライド」は川岸の上を飛ぶ。ブランコスタイルで飛べば、気分はハイジ―!?

ワイヤー装着しながらサポートしてくれるスタッフはとても陽気で、「ワクワク? ドキドキ?? 」などと日本で語りかけてくれることも。フライト前・中にはカメラマンが撮影してくれるほか、希望者にはフライト前に手渡されるムービーカメラで動画を自分で撮影することもできる。記念に写真や動画は購入できるが(15NZドル~=約1,200円)、購入せずとも受け付けそばで閲覧することは可能だ。なお、体験証明書は無料でもらえる。

ただ、「やっぱり怖いんじゃなかろうか」と疑っていたからだろうか。出来上がった写真を見てみると、一緒に写ってくれたスタッフはとびっきりの笑顔なのに、筆者はいささかひきつった笑顔になっていた。実際、絶叫系があまり得意ではなくてもジップライドは恐怖を感じるものではないので、「どうしてもバンジージャンプは無理だな」と思ったらこちらを選択するのもありだ。

勢いよく130mを滑走すると、くるっと向きを変えてゆっくり戻っていく

バンジージャンプやジップライドだけを体験してみたい人は、クィーンズタウンの中心地からシャトルバスでの無料送迎があるツアーを選んでみるといいだろう。できれば陽気なスタッフたちに励ましてもらいながら、この"元祖バンジー"の方にぜひハートを強くして挑んでいただければと思う。

※1NZドル=80.2円で換算。記事中の情報は2015年11月取材時のもの