将来は2モジュール用ルーターも
将来、POSなどで要求されるファイブナイン(99.999%以上)の稼働率実現に向けて、2つの通信モジュールを搭載した「2Moduleルータ」も開発中。こちらは2つのSIMを切り替えるのではなく、2つのモジュールに1つずつSIMを挿して利用し、片方が障害時、すぐにもう片方がバックアップに回れる。モジュール自体が壊れたときにも1モジュールで修理までをしのげるため、信頼性は2SIMルーターよりもかなり高そうだ。さらに回線切断時だけでなく、arxceo社が開発した回線診断アルゴリズムを利用し、主回線が切れそうになったら回線を切り替えることで事前に対応してしまうという「2Moduleルータ Advanced」も計画しているという。
現在、日本でPOSなどが使っているISDN回線は350万回線、専用回線は140万回線あるといい、これらに加えてIoT向け回線は今後爆発的な普及が見込まれる。NTTドコモは5GでこうしたIoT向けのサービスも提供したいとしているが、今有る技術と機器で先行して市場を開拓できるのは大きな強みになるといえるだろう。
気になる価格は2SIMルーターの場合、ルーターの端末台なども含めて5年契約で月額3,980円となっており、ISDN回線などと比較してもだいぶ安価に済ませられる。通信速度は150kbpsと制限されているが、POSなどはもともと128kbpsまでのISDN回線を使っていたのであって、一度に大量のデータを送るということではないので、この程度でも十分なわけだ。あくまで企業向けサービスだけに、一般ユーザーが利用することはまずないだろうが、今後銀行ATMやPOSなどの回線が置き換わっていくことで、間接的に恩恵を被ることになるだろう。
(記事提供: マイナビニュース・携帯ch)