dポイントの狙いその1:ポイントの販売
まずはポイントの販売による収益。ポイントの販売は、全日本空輸のマイレージサービスやCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のTポイントなど、一部のポイント・マイル提供元が行っているビジネスモデルだ。
たとえば、1ポイント1円で使えるポイントがあるとして、そのポイントにわずかな利益を乗せて企業に販売。それによる収益を上げる。ドコモではdポイント加盟店に対して「ポイント発行手数料(仮称)」として、ポイント進呈量に対して、一定の利用率を掛けた手数料を加盟店から徴収する。この手数料がドコモにとっての利益になる。
この利用率は、加盟店により異なり、dポイントの利用者数が増えれば増えるほど、ドコモにとって有利な料率を設定できる可能性があるという。つまり、キャリアフリーにして、dポイントの利用者を増やせば、収益アップが見込めるわけだ。
dポイントの狙いその2:購買データの活用
二つ目が購買履歴だ。dポイントクラブ規約には、ポイント提供対象サービスの注文内容、利用金額などについてドコモが利用できるとしている。その情報を特定の利用目的、つまり、商品、サービスの案内やサービスの利用実態分析などに活用するとある。
ドコモでは、個人情報を特定しない形で、ある一定のエリアの購買情報や利用者の居住エリア、性別などの情報を分析し、アプリケーションやメールなどを活用して、加盟店の商品の品揃えや販促施策などのマーケティングに利用することを検討している。ここでも、キャリアフリーにし、利用者を多くすることで、送客人数を増やすことが可能になる。
dポイントは巨大ビジネスに
旧ドコモポイントの保有者は5400万人。この数値はTポイントの利用者数(約5600万人)に匹敵する数値だ。楽天スーパーポイントが約1億人、Pontaが約7200万人と上には上がいるが、ローソン、マクドナルドなどの外部の企業と手を組むことで、ドコモポイント経済圏が新たに誕生するといっても過言ではない。
そして、ドコモは旧ドコモポイントの顧客基盤を活かし、新たなdポイントでキャリアフリー化をすすめることで、活用できる情報を増やし、マーケティング能力をパワーアップさせることができる。キャリアフリーに焦点をあて、ビジネスモデルを探ることで、巨大マーケティング企業ドコモの姿が見えてくる。