液晶テレビ事業の黒字化に自信

今回の見学会では、同社の液晶テレビ事業戦略についても説明。2015年度下期のテレビ事業の黒字化に強い自信をみせた。

同社の液晶テレビ事業は、2015年度第1四半期(2015年4~6月)には173億円の赤字であったが、2015年度第2四半期(7月~9月)は23億円の黒字。下期も黒字化を維持すると強調した。通期では赤字見通しだが、来年度での通期黒字転換を目指す。

液晶テレビ事業の実績と予想。第2四半期に黒字転換に成功した

シャープの小谷健一執行役員は、「今後は安定した黒字体質へと持っていけると考えている。構造改革の効果のほか、4Kテレビの販売拡大もある。国内については、2015年度通期で黒字を目指す。アジアも今期は黒字化が図れる」とした。今後は中国での早期黒字化が課題となる。

国内においては、2016年からは薄型テレビの買い替えサイクルに入ってくること、2016年には4K/8Kの試験放送、2018年には実用放送が開始されるなど、4K/8K放送のインフラが2020年に向けて整備されることもあり、今後はテレビ需要が回復に向かうと予測する。

「2015年度は4Kテレビのラインアップを9機種にまで拡大。今年6月に発売した4KテレビのUS30およびU30が市場から受け入れられ、国内4Kテレビで30%のシェアを獲得。国内ではトップシェアだと認識している。とくに、50型以上の4Kテレビでは、40%以上のシェアを得ている」と説明した。

国内における薄型テレビの需要予測

4Kテレビ市場におけるシャープのシェア

また、IoTについては、ネットコンテンツやシャープが取り組むAIoTを搭載した機器などとの連携により、情報を最適に表示および視聴できる機器へと進化させ、新たなサービスを生むプラットフォームとして活用。「テレビに通信機技術を積極的に活用していくことになる」などと述べた。

シャープ 執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー カンパニーEVP兼デジタル情報家電事業本部長の小谷健一氏

シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー デジタル情報家電事業本部生産統轄部・魚譲司統括部長