公開されているスペックを見ると、Fire HD 10にはクアッドコアのプロセッサ(1.5GHz×2コア+1.2GHz×2コア)と1GBのメモリ、16/32GBのストレージが搭載されているとある。ベンチマークアプリで使われているパーツを調べてみたところ、プロセッサはMediaTekのMT8135(Cortex-A15×2、Cortex-A7×2)だった。

■主な仕様   [製品名] Fire HD 10   [CPU] 1.5GHz×2、1.2GHz×2 クアッドコア(編集部調べːMediaTek MT8135[Cortex-A15×2、Cortex-A7×2])   [メモリ] 1GB   [ストレージ] 32GB   [カードスロット] microSD(128GBまで)対応   [バッテリ駆動時間] 読書、ウェブ、ビデオ、音楽などの通常使用時で最大8時間   [ディスプレイ] 10.1型ワイド液晶(1,280×800ドット)   [OS] Fire OS 5   [価格] 29,980円  

ベンチマークアプリ「Geekbench 3」によるプロセッサ情報。使われているのはMediaTekのMT8135で、内蔵GPUはPowerVR 6だ

7型FireではプロセッサにMediaTekのMT8127(1.30GHz、Cortex-A7×4コア)が使われている

各種ベンチマークの結果は、以下の通り。Fire HD 10のほうが高性能なプロセッサを搭載しているだけあって、全体的に高めのスコアが出ている。特にグラフィックス性能については、7型Fireを大きく上回る結果となった。

「Geekbench 3」ベンチマーク結果。左がFire HD 10で、右が7型Fire

「Quadrant Standard Edition」ベンチマーク結果。左がFire HD 10で、右が7型Fire

「3DMark」ベンチマーク結果。上がFire HD 10で、下が7型Fire

この結果から、処理が重めのアプリや3Dゲームを利用するなら、高性能なプロセッサを搭載したFire HD 10のほうが良いということがわかる。ただしFire HD 10はメモリ容量が1GBということもあり、それほどサクサク動作するわけではない。実際、スリープ状態から復帰してホーム画面を表示するあいだや、アプリを起動するまでに、わずかな"間"が感じられた。動画の視聴や軽めのアプリの利用であれば、7型のFireと変わらずサクサク処理する印象だ。

まとめ - 映像とサウンドの迫力が◎

10.1型の液晶ディスプレイを搭載したFire HD 10は動画やゲームなどの映像を大きく表示できるだけでなく、臨場感のあるサラウンド音声を実現する「Dolby Atmos」やデュアルステレオスピーカーを搭載するなどによって、迫力のあるサウンドを楽しめる。7型Fireはあくまでもコンテンツを手軽に楽しむためのデバイスであるのに対して、Fire HD 10はエンタテイメント性の高いモデルに仕上がっている。Google PlayなどAndroidで標準的なサービスには対応していないが、アマゾンが提供するコンテンツを楽しむのであれば最適なタブレットだと言えるだろう。

ということで、今回はFire HD 10の外観やスペックなどについて紹介した。次回は、Fireタブレットシリーズの"キモ"である、動画の視聴について取り上げたい。