メジャーアップデートのインストールは必須?

冒頭でも述べたように、メジャーアップデートは累積アップデートと異なり、機能的な拡張や仕様変更を多く含んでいる。我々がスマートフォンで新しいデバイスとOSを使うように、WaaS化したWindows 10の変化を止めるのは難しく、変化を避けたいユーザーはWindows 7やWindows 8.xに留まらなければならない。少々厳しい言葉になってしまうが、それが現実だ。

ちなみに、Windows 7のメインストリームサポートは2015年1月13日に終了し、延長サポートも2020年1月14日まで。Windows 8.1もメインストリームサポートは2018年1月9日に終了、延長サポートも2023年1月10日で終了。これらのことから、古いWindowsをあと数年間使い続けるという選択肢も残されている。

ここでWindows 10のライフサイクルが気になったので調べてみた。Microsoftは"2015年7月29日にリリースしたWindows 10"のメインストリームサポートは2020年10月13日、延長サポートは10月14日と定めている(以上すべて米国時間)。ダブルコーテーションで囲った理由は、同社がこれまでにない「Windows 10 2015年7月リリース」という表記を用いているからだ。

加えて注意書きを確認すると、"最新の更新プログラム適用がサポートの条件"という記述もある。つまり、メジャーアップデートを適用していない場合、サポート適用外になる可能性が高いのだ。このあたりのルールはMicrosoft社内でも定まっていないのか迷走しているように見えるが、Office 365のようにサブスクリプション制への移行も見え隠れしているため、ユーザーの皆さんには常に最新の情報をチェックしてほしい。筆者もできる範囲でご報告する。

さて、Windows 10の今後だが、既にMicrosoftは次のステップに進んでいる。2015年11月9日の時点でWinBetaは、次期大型アップデートとして開発当初から予定されていた「Redstone」に着手したことを報じた。具体的には、一部のWindows 10 Insider Preview環境で「Insider Previewビルドの入手」に対して「th2_release」「rs1_release」を切り替えるオプションを加えた環境が発見されたと言う。

勘のよい方ならお気付きのとおり「rs1=Redstone」だ。2016年の6月と同年10月の2回に分けてリリースすると言われているが、執筆時点でMicrosoftは公式なアナウンスを行っていない。いずれにせよRedstoneが今回のメジャーアップデートと異なり、"大型アップデート"という表現を用いていることから、自社製HMDの「HoloLens」や、Windows 10 Mobileデバイスのとさらなる連係など、"One Windows"を実現するための機能や仕様を加えてくるのだろう。

阿久津良和(Cactus)

■お知らせ(2016年8月3日追記)
2016年8月のWindows 10 メジャーアップデートの実施にともない、「Redstone 1」(Anniversary Update)アップデート対応版の記事を、「第7章」として追加掲載しました。
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「Redstone 1」アップデート対応版!! すべてが分かるWindows 10大百科
http://news.mynavi.jp/special/2016/windows10anniversary/