■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?
堀切という下町に越してきたとき、ご近所さんに「家に鍵かけなくていいよ。ゴミ出してあげるから」って言われたんです。そのときは驚くというより、逆に私の田舎と同じだなあと思って、ほっとしました。私の生まれ育った村は、お米がなくなれば近所に借りに行くようなところ。日本全体もそうですが、とくに下町は助け合い精神が強いですよね。私は外国から来たということもあって、余計に厚く見守ってもらってきたと思います。
■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?
安倍政権が安全保障関連法を成立させたことです。個人的には一度国民に是非を問うために選挙をしてもよかったのではないかなと思いました。
■あなたの「マストビジネスアイテム」を教えてください。
欠かせないのは、首や腰の痛みを和らげてくれるローションタイプの鎮痛剤。これがなくなると、もう大騒ぎ。だって、痛いと仕事にならないですから。腰痛には長いこと悩まされていて、20代のときには交通事故に遭って首も痛めてしまったんです。ちなみに事故のときは、首・腰・足を骨折して3日間意識がなくて死んだかなと思ったほど。そう考えると、今の人生おまけです(笑)。
もうひとつの必携アイテムは、レシピノート。肉をつけるタレやサラダのドレッシングなどの作り方が書いてあります。ほとんど頭の中に入っているけど、数十種類もあるから、念のため。脂やタレで汚れたり、なくしたりすることもあるから、いつも同じ物を3冊作り、予備としてキープしています。iPadも持っていますが、厨房には不向き。軽くて使いやすいノートが一番です。
■休みのとりかたは?
特定の休みは決まっていません。休むときは休みますし、自由にやっています。お店は年中無休なので、必要なときに休みをとる感じ。土日の夜は混むので店に立ちますが、そのかわり金曜の夜は早く帰って家族と食事を楽しみます。週末も店に立つのは夜だけ。昼間は家族と過ごします。
■将来の仕事や生活の展望は?
日本とバングラデシュの、言葉だけじゃなく本当の意味での架け橋になって何かを残したいですね。まずは、バングラデシュに学校を建設したいと考えていて、すでに約600坪の土地も買いました。私がいま、こうやって日本で過ごしているのも教育のおかげですから。日本は天然資源などには恵まれていないものの、あるものを工夫して使うのが上手。そういう日本にいて学んだことをバングラデシュの人たちに伝えたいですね。いずれは1万坪の敷地に、幼稚園から大学まで作るのが目標。うまくいったらそれをモデルケースに、中東やアフリカにも広げていきたいです。