実は狭いキッチンにこそオススメ

ホットクックは通常の鍋に比べると、同じ容量でもサイズが大きいのが悩ましいところ。内鍋だけでなく、ヒーターや制御基板なども備えているため、仕方ないとは思うが、初めて見たときも「大きいよな~」という印象で、ある程度のキッチンスペースがないと使えないと思っていた。

ところが、実際に使ってみると、大きさはさほど問題にならなかった。もちろん、ホットクックそのものを置けることが前提になるが、切ったそばから材料を投入していけるので余計なスペースが必要ない。コンロで調理するときとちがって、あらかじめ食材をカットしておかなくてもいい。

1人暮らしのキッチンだと、どうしても調理スペースが狭かったり、コンロの口数が少なかったりするが、電気鍋ならコンセントさえあればどこでも調理できる。キッチンで準備して、調理中は別の部屋へ移動させても構わないのだ。そういう意味では、実は狭いキッチンにこそ適しているかもしれない。

手入れが簡単なのも魅力的だ。基本は内鍋と内ブタ、まぜ技ユニット、蒸気口カバー、つゆ受けを洗えばいいだけ。取り外しも簡単で、それぞれアナログの鍋より断然軽くて扱いやすい。

内ブタの着脱も、片手でほぼワンアクション。シンプルで直感的な設計だ

まぜ技ユニットは取り外した後もさらに分解可能で、すみずみまで洗える

つゆ受けと蒸気口カバーは、まさに炊飯器と同じ要領。食材が直接触れるものではないので見た目はそれほど汚れないが、衛生上毎回さっと洗ったほうがいい

内鍋を調理後に放置しておくと、メニューによっては汚れを落としにくくなってしまう。その場合には、煮物を作る要領で水と重層を入れて10分程度加熱すればキレイに落ちた。このとき手動で設定していたが、たとえば、ニオイが取れにくい魚料理のあとの消臭、煮沸消毒といった「お手入れモード」のようなものがあるともっと便利になるだろう。

【左】炊飯器とちがい、調理後すぐに内鍋を外すことも多いため、通常の鍋と同様、取っ手が付いている。そのまま持てるよう、熱くならない樹脂製。【右】内鍋の重さは716g。女性の手にも軽々と持てるくらいの重さだ

【左】本体外側から中をのぞける窓が付いている。調理中は蒸気でよく見えないが、まぜ技ユニットが回転しているのは確認できる。【右】内鍋用のフタも付属しているので、冷蔵庫の中でそのまま保存しておくのにも便利。内鍋単独でも販売されているので、必要に応じて買い足せる(フタは付属しない)。複数あれば、1品目を自動調理している間に、2品目の準備をしておき、1品目の調理終了後に鍋を入れ替えて2品目をすぐに調理スタート、といった使い方も可能

次モデルを待つかどうかで悩み中

あともう1点わがままをいえば、自動メニューでもそれぞれ具体的にどのようなプログラムになっているのかわかるとうれしい。レシピブックを見ながらいろいろと試していくうちに、料理好きな人であればそのうちオリジナルのメニューも作りたくなってくるだろう。その場合に、どのコースを選んで調理すればいいか判断するために、詳細がわかるようになっていると応用がきく。

とはいえ、初代製品でありながら、全体的に完成度が高い。10日ほどで合計30品以上のメニューを作ってみて、「ここがこうだったらもっといいのに」という思いはあれど、不便や不満に思うレベルのダメ出し要素はほとんどなかった。細かな要望はこれまで書いたとおりだが、むしろメリットのほうが大きく上回る、というのが正直な感想だ。

本体の後ろ側。電源プラグはマグネット式だが、コードが約1.8mもあるので使わない時はちょっと邪魔。巻き取り式だとよりうれしい

まだ先の話ではあるものの、第2世代のモデルでは、ユーザーの声を反映して、より使い勝手のいい製品に進化すると予想される。そう考えると「今すぐ購入!」というのは迷ってしまう。しかし、ホットクックを使っていないここ数日、その便利さを痛感しており、「今すぐ買いたい家電リスト」急上昇中だ。