周囲を納得させるには、"判断基準"の提示がカギ?

――自分の判断を周囲に納得してもらう時は、直接話して伝えるのでしょうか。あるいは、何かコミュニケーションツールを活用するのでしょうか

基本的には、直接話すことが多いです。例えば、運航前の場合、統制方針や運行方針を決定する際にミッション・ディレクターと統制グループの者が空港所長に直接電話で話すこともあります。運航中の場合は、機長に衛星電話をして確認を取ることもあります。その他、社内独自のコミュニケーションツール(文字情報)を活用しています。

――判断をしたくない、責任を負いたくないという人もいるのでは

怖いですよね。判断するということは、それだけの責任が伴っていますから。ただ、判断力があると思われているからこそ、こういうポストにつけてもらったと思っているので、そこは自分を信じるしかないと思っています。

――他のメンバーをみて、"これは光る判断!"と思うことはありますか

いつも光ってると思いますけどね(笑)。ただ、人によって得意分野は異なります。例えば、私もそうでしたが、ミッション・ディレクターに就いたばかりの時は、自分の経験していない分野に詳しくないので、いろいろ専門の部署の意見を聞いて判断する。似たような事例でも、長年務めている人のほうが即座に対応できますから、経験を重ねて、より光る判断ができるようになっていくのだと思います。

――判断には、経験の積み方が大切なんですね

自分の判断が100%かどうかはわかりませんが、やはり経験が一番大事かもしれないですね。あとは、謙虚に人の話をちゃんと聞くことだと思います。なので、独善的な人間はできないと思います。

――若い人にアドバイスをお願いいたします 

心は熱く、頭は冷静であった方がいいですよね。ただ、若手の方は判断する立場にないことも多いので、自分が与えられた仕事に優劣をつけず真摯に取り組んでほしいです。自分のことだけではなく、隣の仲間が行っていることも理解しながら、自分の力をのばしていけばいいのではないでしょうか。

――ありがとうございました