ロック解除なしで使えるのは「不公平」?

同ガイドラインでは、不正に端末を入手して即時解除し、転売するといった行為を防止するための措置が認められており、それが180日という期間制限だが、本来、SIMロックを解除しなければ他社のSIMを挿しても使えない端末が、同じネットワークを使うMVNOに限っては解除しなくても使えるという状況が「不公平」というのがKDDIの説明だ。

公平の観点からはMVNOでもほかのMNOでも、仮にグループのUQ mobileであっても、au以外のサービスであればすべてロック解除が必要、という考え方だという。

SIMロックの解除に「180日経過後」という制限があるのは、転売など不正行為防止のため

au VoLTE対応SIMは、バージョン4として従来とは異なるSIMになっているが、MVNO向けにはさらに異なる、専用のSIMを発行している。KDDI側では、MVNOの独自サービスなどが運用しやすくなる、としているが、この専用SIMは、au端末側からは他社のSIMと認識され、SIMロックを解除しない限り通信が行えないことになる。

こうした考え方によるため、今後新しいSIMのバージョンになったとしても同様の施策になるだろう。「Galaxy S6 edgeを除く今年5月以前に発売されたau VoLTE対応端末」は、SIMロックが解除できないためMVNOで利用することが不可能であり、5月以降の端末でも、SIMロックを解除しないとMVNOで使えないのは、ユーザーにとって不便であることは間違いない。

ちなみにドコモの「MVNO専用SIM」は、10月26日に開催された総務省の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」に提出された資料に記載されていたもの。ドコモによれば「MVNOがデザインを自由に変更できるようにするため」の施策で、SIMの機能自体は従来と変更はないという。KDDIは「ガイドラインに従う」という理由だったが、ドコモ側では「現時点で(KDDIのように)SIMの機能を変える予定はない」。そのため、ドコモの端末では、MVNOのSIMはロックを解除しなくても使えることに変わりはないようだ。