COMPUTEX TAIPEI 2015に合わせて公開されたOCZの最新SSD「Trion 100」。この製品は、ハイエンド寄り製品がウリのOCZのなかで、バリューセグメントにフォーカスした製品だ。これまでなら、バリュー向け製品にも信頼性重視のMLC NANDフラッシュメモリチップを採用してきた同社だが、「Trion 100」では第2世代の東芝製TLCチップを採用し、低価格かつ大容量モデルを実現。さらに東芝製コントローラチップを搭載しているところもポイントだ。

Trion 100

トラディショナルな2.5インチSSD

Trion 100はトラディショナルなSerial ATA 3.0接続、2.5インチサイズの製品だ。厚みは7mmで、現在の2.5インチSSDのトレンドを受け継ぐ。パッケージ、きょう体とも、グレーというか淡い青を採用している。OCZの2.5インチSSDでは、Radeon SSDのような他社コラボの例外もあるが、基本的に青が濃いほどハイエンドだと考えて良い。

OCZ Trion 100 480GBモデル。7mm厚の2.5型サイズで、インターフェースはSATA 6Gbps

外観での大きな変化は材質だ。従来のOCZ製品では、金属製の重量感あるきょう体だったが、Trion 100ではプラスチックのきょう体を採用し、手にしてみるとずいぶん軽いことを実感できる。

金属製きょう体は、放熱に優れているので、発熱しやすいハイエンド製品や重量をあまり気にしないデスクトップ用SSDではメリットが大きい。一方で、プラスチック製きょう体はその軽さから、モバイルPCに搭載するといった場合に大きなメリットがある。

基本的なスペックをチェック

Trion 100の容量ラインナップは、120/240/480/960GBと幅広い。公称パフォーマンスに関しては、全モデル共通でリードが550MB/sec、ライトは120GBモデルが450MB/sec、240GBモデルが520GB/secに向上し、480/960GBモデルはともにシリーズ最高の530MB/secとなる。厳密には480GBモデルが境目となるが、実質的には240GBモデルからほぼフルスペックと言ってよいだろう。120GBモデルでもライトが450MB/secあるので、小容量モデルであっても決してパフォーマンスが低いわけではない。ここも同価格同容量帯の製品で比較検討する際のポイントになる。

I/Oパフォーマンスで見ると、リードの値がかなり高く、上位モデルとなるVector 180の同容量モデルと比較しても10000IOPS差でしかない。一方で、ライトは低いので、ここは注意したい。

また、ダーティ書き込みIOPSに関しては、3000IOPS前後しかない。Vector 180では12000~23000IOPSに達するので、使い込み、容量が少なくなってきた時のパフォーマンスに関しては、上位モデルに大きく劣るといっていいだろう。従って、Trion 100はリード中心でライトの頻度が少ない用途に適しているだろう。

型番 TRN100-25SAT3-120G TRN100-25SAT3-240G TRN100-25SAT3-480G TRN100-25SAT3-960G
容量 120GB 240GB 480GB 960GB
コントローラ 東芝製
NANDチップ 東芝製A19nm TLC
リード(MB/sec) 550
ライト(MB/sec) 450 520 530
4Kリード(IOPS) 79000 90000
4Kライト(IOPS) 25000 43000 54000 64000
ダーティ書込(IOPS) 2200 3200 3600
耐久製(GB/日) 27GB/日 55GB/日 110GB/日 219GB/日
製品保証 3年間

製品保証は3年間で、これはバリュー向けのArc 100シリーズやメインストリーム向けのVertex 460Aシリーズなどと同様だ。例えばこれがパフォーマンス向けRadeon R7 SSDなら4年、ハイエンド向けのVector 180なら5年と、上位モデルではより長期の保証が受けられる。しかし、バリュー製品のなかには1年間程度の保証しかないものもあるので、それらと比べれば安心できる。

耐久性は、大容量モデルなら十分に高い値だ。もっとも、小容量の120GBモデルで27GB/日だから、こちらでも普段使いで大きな問題になることはないだろう。