発表会では、企業向けのNAS製品も紹介された。必要な機能とスペックを備えたNAS「NetStor」と「DataStor」に関して、概要を門脇氏、詳細を二松氏が説明。

新製品では、NAS向けのHDDとしてウエスタンデジタルのWD RedとWD Red Proを全面的に採用し、安定性を高めた。基板上の全部品に関して、40℃で5年動作するグレードの部品を採用している。もちろん、豊富なバックアップ手段、レプリケーション、AD連携など、企業向けに必要な機能も盛り込んだ。

【左】豊富な製品とサポートによって、法人ユーザーに対してワンストップサービスを提供。【右】データセンター設置を想定した2UラックマウントのDataStor。HDDだけでなくSSDキャッシュに対応するモデルも投入

【左】オフィス内を想定したNetStor。画面は4ベイの上位モデルだが、1ベイや2ベイのエントリ製品まで一気に投入。【右】企業向けNASに必須とされるスペックや機能を搭載

【左】NASで最もトラブルを起こしやすいHDDは、24時間の稼働を前提としたNAS専用設計のWD RedとWD Red Proを採用。【右】企業利用での耐用年数を考慮し、40℃環境で5年間動作するグレードのパーツを使用

サポート体制に関しては、開発担当の日隅氏が解説。基本3年の保証だが、一般企業での利用期間とリース契約を考えて5年に延長できる。そのほか、オンサイト、デリバリー、センドバック保守に加えて、販売店が独自の保守サービスを展開できる「自営保守」を追加しているのがユニークな取り組みだ。エレコムはパーツ供給やエンジニア派遣、トレーニングなどを行う。現在は20社ほどと協議している最中だという。

また、店舗に対するハンズオントレーニングや自社社員によるサポートセンターの開設も進行中だ。開発部隊と直結したフィールドエンジニアが調査を行い、問題の迅速な解決と次世代製品に向けたフィードバックも進めている。NAS製品は1ベイと2ベイのエントリ製品が2015年の年末までに、それ以外の製品は2016年2月から順次発売の予定だ。

【左】エレコム 開発4課 チームリーダー 日隅智之氏。【右】サポート&サービス体制。左側が販売・サポートを支える仕組み、右側が実際の保守メニュー

【左】一般的なオンサイト保守、デリバリー保守、センドバック保守は当然ある。【右】パートナーが保守作業を請け負える「自営保守」がユニークな試み。販売企業が独自の保守メニューを用意して利益拡大を図れる

【左】販売店のハンズオントレーニングは毎月10回。アウトソースが多いサポートセンターは自社社員にて行い、フィールドエンジニアも開発部隊直結でトラブルノウハウを蓄積していく。【右】企業向けNAS新製品は年末から順次発売