オタ活費は収入の2割。5割8割も当たり前?

「お気に入りのグッズを持ってきてください」と頼んでおいたら、引くほど持ってきてくれたうちのごく一部。チケット代以外にグッズ代も相当かかるとのこと

塚岡:健康管理も大切ですけど、お金もけっこうかかるんじゃないですか? チケット代も高めということですし。

Nさん:そうですね。私の場合、姉と同居で給与の半分は家賃と生活費、ほか服を買ったり化粧品を買ったりして、だいたい2割くらいがオタ活に使われている感じです。全然少ないほうだと思いますよ。

塚岡:2割かぁ……。家賃が給料の3割までって言われていることを思うと、けっこう使うんだなと思っちゃいますね。

Nさん:たしかに、家賃と同じくらいは使ってます(笑)。でも本当に少ない方です。一人暮らしで5割使ってる人もいるし、実家暮らしなら8割とか使ってる人もいると思いますよ。毎月、海外に出てるなんて人もいますし。

塚岡:そうなってくると、もはや「仕事・生活との両立」とは次元が違ってきますね……。生活そのものという感じ。

Nさん:国内の公演だけ行っていても、チケットが平均して1万円くらい、現地(韓国)でのライブならさらに高くて3万円、それに交通費もかかります。

塚岡:現地の方がチケット高いんですか!?

Nさん:日本人向けのチケット代行サイトを利用することが多いんです。どうしても高くなっちゃいますね。

塚岡:なるほどなぁ。独特の苦労があるんですねえ。

海を挟んでいるからこそ好き!

こちらは東方神起の応援ポーズ。頭文字の「T」をペンライトで表現

塚岡:そこまで苦労するなら、国内のアイドルを応援するっていう選択肢も出てきそうなものですけど、それはないんですか?

Nさん:私はないですねー。近すぎるんですよ! 日本のアイドルは!

塚岡:すごい力説ですけど意味わかんないですね……。近すぎる?

Nさん:もしかしたら街で会ったりするかもしれないじゃないですか。K-POPアイドルは海を挟んでるので、それがまずありえない、というのが良いんです。

塚岡:街で会えたら嬉しくないですか?

Nさん:いやいや! 見られたくない! 個人として認識されたくないんです。

塚岡:日本のアイドル界には「認知」(アイドルに顔や名前を覚えてもらうこと)って言葉もあるくらいだし、嬉しいものだと思ってましたが。

Nさん:たとえば、ライブで最前列になったとするじゃないですか。

塚岡:はい。

Nさん:友達とは、「顔を見られたくないからマジックミラーにしろ」って話してます(笑)。マジックミラーの上からウチワと手を振るから、それだけ見てくれって。

塚岡:あくまでも顔は見られたくない、と(笑)。

Nさん:はい。ここで応援してるよってことは知ってほしいけど、個人として認識されるのは恥ずかしいというか、恐れ多いというか……。ライブ中は自分の存在は無に等しいと思っているので、ただただ応援して崇めていたいんです。