Windows 10はこれまでのWindows OSと異なり、アップグレード版から提供された。Windows 7、8.1から2016年7月(予定)まで無償でアップグレードができる。

しかし、アップグレードが100%確実というわけではない。デバイスによっては動作しないこともあるし、アプリによっては正常動作しないこともある。また、ハードウェア環境によっては、アップグレードをすることが難しいこともある(PCが古いなど)。

本稿執筆時点、まだまだ豊富とはいえないが、Windows 10搭載PCが徐々に登場し始めている(本格化するのは、2015年秋冬モデルからだろう)。そこで、考えたいのが、新規にWindows 10搭載PCを購入し、現状の環境は維持である。何かあっても、実機が残っていれば、対応もしやすいであろう。

そこで問題となるのは、データやアプリケーションの移行である。PCに詳しいユーザーならば難しくないかもしれない。しかし、メールボックスがどこにあるかや、ブックマークの保存場所などがわからないと厳しいであろう。そんなユーザーに紹介したいのが、「AOSファイナルパソコン引越しWin 10特別版」(以下、パソコン引越しと略記)である。さまざまな方法で、Windows 10へ移行することができる。

図1 AOSファイナルパソコン引越しWin 10特別版

パソコン引越しでは、データ以外にもアプリケーションも引越し可能である。対応するアプリケーションなどは、AOSのFAQを参照してほしい。

図2 パソコン引越しが移行するアプリケーションについて

引越し後に、再ライセンス認証が必要になることもある。またプレインストールされたOfficeは、そのPCでのみ使用が許可されるので、引越しはできない。また、OSのbit数が異なるとアプリケーションによっては、引越しできない。

移行の方法と準備

パソコン引越しによる移行の方法は4つある。

  • 同梱される専用USBケーブルを使う
  • LANクロスケーブルを使う
  • ネットワーク・Wi-Fi環境を使う
  • 外付けHDD・USBメモリを使う

最後の外付けHDDなどを使うのは、2台のPCがケーブルなどで接続できない、同一LAN内に存在しないといった場合の方法だ。本稿では、専用USBケーブルを使って引越ししてみたい。

図3 専用USBケーブル

さて、その前に準備しておきたいことがいくつかある。

  • スキャンディスクの実行
  • セキュリティ対策ソフトの例外設定をする
  • ファイアウォールを無効に
  • 試供版や旧バージョンを新しいPCからアンインストール
  • HDDの容量を確認
  • Windows OSのバージョンを確認、できるだけ最新の状態に
  • Internet Explorerのバージョンを確認(6.0以上が必要)
  • スクリーンセーバーや省電力設定を無効に
  • スケジュール・タスク・プログラムを無効に
  • 全アプリケーション(特にセキュリティ対策ソフト)を終了

誌面の関係で、これらの設定・変更方法は紹介できないが、各種マニュアルなどを参照してほしい。また、ファイアウォールやセキュリティ対策ソフトなどを無効状態にするので、セキュリティがあまい状態となる。場合によっては、作業中はネットワーク接続を遮断しておいてもいいだろう。

そして、引越し元と引越し先のPCに、パソコン引越しをインストールする。

図4 パソコン引越しのインストール(引越し元)

図5 パソコン引越しのインストール(引越し先)