影響を受けたのは世界で数億人に上る可能性
Appleや開発者は事態の収拾に動いているが、依然として、マルウェア入りのアプリをそのまま利用しているユーザーも少なくないはずだ。というのも、中国市場で最も人気があり、中国語圏の人々と頻繁に連絡を取る世界中の人々にも広く普及していたアプリが、リストに含まれていたからだ。
それはWeChatである。
WeChatはTencentのチャットアプリで、中国では「微信」(ウェイシン)と呼ばれている。アカウント数は13億人を超え、月間アクティブユーザー数は5億人を数える巨大なサービス。このiOS版にマルウェアが含まれていたことになり、影響を受けたのは1億人を上回る可能性がある。ちなみに現在は既に安全な最新版が配信されているという。
その他、中国国内向けのUberに似たタクシー配車サービス「Didi-Kuaidi」、音楽ストリーミングサービスなどの人気のアプリが含まれていた。WinZipやスキャナーアプリなど、ユーティリティ系のジャンルにも及んでいる。また中国向けのAngry Birds 2も、同様のマルウェアが含まれていた。
コミュニケーション、エンターテインメント、生産性向上など、多岐に渡るアプリがこの被害を受けており、Palo Alto Networksが挙げたアプリがすべてとは限らない。下記の通りAppleも対策に乗り出しているが、リストに挙がった約40すべてのアプリが削除あるいは更新されたわけでもないという。