すぐに試してほしい「メモ」
文字どおりメモをとるためのアプリだった「メモ」が、より"現実のメモ"に近づいた。ここでいう"現実のメモ"とは、メモは文字だけで構成されるものではなく、目的地への案内図、文章を楽しくみせるイラストなど、文字以外の要素を含むということ。紙と鉛筆の組み合わせほどの自由度はないものの、Appleらしいアプローチを見せてくれる。
今度のメモは、タッチパネルを利用した手書き入力に対応している。ここでいう手書き入力とは、指先で書いた文字を解析しデジタルの文字として使うという意味ではなく、書いた内容をそのままグラフィックデータとして使うというもの。だから基本的な用途はイラストや道案内なのだが、機能の洗練度には目を見張るものがある。
ペン先は極細/細/太の3種類が用意されているが、特筆すべきは「太」だ。利用したiPhone 6に筆圧感知機能はないため、タッチの強さで線の太さを変えることはできないが、線を自然に曲げることができる。
フェルトペンで「6」と書くときのことを思い出してほしい。当初の進行方向(斜め下向き)は幅広だが、方向がやや下向きに変わるあたりで線がやや細くなり、その後幅広に戻ったあと再度のカーブでやや細くなり……と、ペン先の向きにあわせて線の幅が変わる。キュキュッという音こそないものの、書き上がった線はまるでフェルトペンのようだ。
芸の細かさを感じるのは、線が重なった部分の色だ。以下のスクリーンショットでは、「7」の1画目と2画目が交わるところが濃くなっていることがわかるはず。しかも重ね書きするほど色が濃くなるため、ペン先が赤の場合は赤黒さ、青の場合は青黒さをも表現できる。
太線が交わる部分の自然な色の濃さに注目。実物のフェルトペンで書いたような仕上がりになる |
定規ツールを使えば、指先で画面をなぞるだけで直線を引くことができる。回転させると30度や45度といった角度で交わる線もかんたんに引ける |
かんたんに直線を引くことができる定規ツールも気が利いている。指2本で回転させれば、90度で交わる直線を引きマス目をつくるなど朝メシ前だ。
チェックボックスをかんたんに作成できる機能もうれしい。「リマインダー」も同様の使い方は可能だが、「メモ」でつくるチェックボックスは1つのメモ上に存在するため、事前に必要なものリストを作成しておきそれを見ながら買い物を進める、といった使い方がかんたんに行える。デザインも洗練されており、多くのユーザに重宝されることになりそうだ。