より"薄く軽く"を目指してきたノートPC。差別化のポイントはタブレットとの共用化であったり、高精細ディスプレイの採用であったり、バッテリのもち改善であったりと各社各様だが、NECは"らしさ"を音に求める。2011年にヤマハとのコラボを開始し、以来内蔵スピーカーとオーディオ再生ソフトの改良を続けている理由はそこにある。

NECパーソナルコンピュータが15日に発表した2015年秋冬モデルの15.6型ノートPC「LAVIE Note Standard」最上位モデル「LAVIE NS850/CAB」(NS850/CAB)は、その音の系譜に連なるプレミアムノートPCだ。

ヤマハの技術を採用した"音の系譜"に連なるプレミアムノート「NS850/CAB」。出荷は9月下旬で、価格はオープン。税別の店頭予想価格は239,800円前後

ヤマハのFR-Port(空気流の乱れを抑えることで音の濁りを防ぐエンクロージャ。詳細はこちら)を採用した薄型ウーファーを搭載、2.1チャンネルサウンドシステムの礎石に据える。

本体下部から見たサブウーファー。500円玉ほどの大きさの開口部が見える

72×72×11mmというユニットサイズはMDを2枚重ねたほどのサイズ感(年齢層によってはかえってわかりにくいかも?)、それでいながら本体の厚さは前モデルの29.8mmから26.2mmへと約11%のスリム化を実現した。

ヤマハのFR-Portを採用したサブウーファーを本体底面に搭載(上の底面写真でいえば、内部にこのユニットが内蔵されている)。ユニットはわずか11mmという薄さだ

サブウーファーは薄いだけではない。バスレフ型スピーカーを電気的に効率よく駆動させるヤマハの独自技術「アクティブサーボテクノロジー」をノートPCでは初搭載、バイオリンの音響構造に着想を得たボックス内部構造により、洗練された低音を目指す。ソフトウェア面でも音響対策を施し、AVアンプなどにも使われているサウンド生成技術をWindowsのAPO(Audio Processing Object)として実装した「Audio Engine」により、映画館のような音の広がりをも再現するという。

ノートPC最上位モデルとして、ディスプレイには4K解像度(3,840×2,160ドット)の15.6型ワイドIGZOパネルを採用、圧倒的な精細さと低消費電力が特徴だ

さて、ここまでは"理屈"の部分。そもそも厚さわずか11mmというウーファーとしては掟破りのユニットなのだから、その音がただ高品位だといわれても信じるのは難しい。実際に自分の耳で確認したいし、ふだんの環境でなければ納得できない。音響効果がウリの映画の1本でも視聴して満足できるかどうか、それが重要だ。