豆の挽きから全自動なコーヒーメーカー

EC-NA40の説明をする、象印マホービン 第二事業部 給湯給水グループの中島健氏

続いて、象印マホービン 第二事業部 給湯給水グループの中島健氏が登壇し、EC-NA40について説明。「昨今のコーヒーブームにより、国内のコーヒー消費量は2年連続で過去最高値を記録している。コンビニで購入できる挽きたてコーヒーや、サードウェーブコーヒーがブームになるなど、『挽きたてで風味と香りが高いコーヒー』がトレンドだと考えている。家庭向けミル付き全自動コーヒーメーカーも過去4年連続で出荷台数が微増しており、今後も需要は増えるだろう」と語った。

ミル付きコーヒーメーカーの出荷台数は微増しているほか、国内のコーヒー消費量は2年連続過去最高値となっている

EC-NA40の特徴は「マイコン予熱&ダブル加熱高温95℃抽出」機能。中島氏いわく、香り高いコーヒーを入れるためには、最初に高温でコーヒー豆を「蒸らす」必要がある。しかし、従来のコーヒーメーカーは、構造上の都合で最初に出てくるお湯はどうしても低温になる。そこで、EC-NA40では「最初に送られた水が十分に加熱されない」問題を、湯を2回ヒーターに通して加熱する「ダブル加熱」で、水の経路が冷えているために湯温が下がってしまう問題を、あらかじめ経路を予熱する「マイコン予熱」機能で解消した。

フィルターをセットするドリッパーには、熱がすばやく伝わる薄肉のステンレスを採用。また、ドリッパーの熱が逃げないように、ステンレスドリッパーの外に樹脂製の「断熱ドリッパーカバー」を配置することで、ドリッパー内の高温をキープ。豆を蒸らす段階では、一時的にドリッパーの出口を閉じて熱湯の流出を防ぐため、約20秒で効率よく豆を蒸らせる。

【左】従来は最初に出てくる湯を高温に保つのが難しかったが、2度の加熱と湯の経路の予熱により、高温で豆を蒸らすことが可能になった。【中】ステンレスのドリッパー(左)と樹脂のドリッパーカバー(右)を組み合わせることで、伝熱性の高さと保温性を両立している。【右】豆を蒸らす間は、「しずく漏れ防止弁」を閉めることで熱湯の流出を防ぐ

メンテナンス性の高さにもこだわり

コーヒーの抽出時にミルの内部へ湯を流すので、ほとんどのコーヒー豆はフィルターに流れていく

EC-NA40は豆をミルで挽く仕様上、ミルのないコーヒーメーカーよりも使用後の掃除部品は増える。しかし、さまざまな方法でメンテナンスのしやすさが追求されている。一般的に使用後のミルにはたくさんのコーヒー豆カスが付着する。EC-NA40は抽出時の湯をミル内部に流すことで、ほとんどのゴミは紙フィルターに流れ落ちる仕組みだ。ミルは本体から取り外して洗えるほか、ドリップ部からもフィルターケースを取り外せる。付属のカップ用トレーを装着すれば、コーヒーカップやマグカップに直接コーヒーを抽出することも可能で、さらに洗いものを減らせる。

このほか、蒸らし時間や抽出時間でコーヒーの濃さを調節できる「二段階濃度調節」や、ミルの細かさを2種類切り替えられる「挽き分けフィルター」も搭載。同じ豆を使用しても、これらを組み合わせることで全4種類の味が楽しめる。

ミル部分は外せるほか、ドリッパーを収納する部分も開けるためメンテナンス性は高い。コーヒー抽出後に洗浄が必要なパーツは、サーバーを除いて約4点

付属のステンレスサーバーの代わりに、マグカップやコーヒーカップに直接抽出もOK。コーヒーカップを使用する場合は、コーヒーが飛び散らないよう、足が高い専用のトレーを下に敷く

ボタン一つでコーヒーの濃さを変更できるほか、ミルフィルターの取り付け方法で豆の細かさも変更できる

会場ではコーヒーの試飲もできた。使用した豆は明かされなかったが、1パック700円程の普及帯の豆だそう。高級豆ではないということだったが、非常に香りが良く、スッキリとした飲み心地