WN891には、キーボードとしても使えるカバーが付属している。タブレット本体をキーボードカバーに装着することで、コンパクトなクラムシェル型ノートPCとしても利用できるわけだ。一般的なタブレットではソフトウェアキーボードを表示するために編集領域が狭くなり、長文を作成する際にストレスを感じることがあるが、WN891はリーズナブルな価格に物理キーボードが付いていて、ちょっとお得感がある。

WN891に付属のキーボードカバー(写真左)。キーボードのない薄い部分を折り曲げてスタンド上にしてから(写真中)、タブレット本体を立てかけて使用する(写真右)

背面からみたキーボードカバー。ベロア生地に似た質感で手触りは滑らか。衝立のような安定感のあるスタンドになっている

ではそのキーボードの使い勝手はどうか。コンパクトなだけあって、若干特殊な配列を採用している。通常のキーボードは最上段にファンクションキーが用意されているが、WN891付属のキーボードは[Fn]キーを押しながら数字を押すことで、ファンクションキーとして利用できる仕様だ。

音量調節や再生などのマルチメディアキーは、[Shift]キーと[Fn]キーを押しながら数字キーを押すことで利用できる。このあたりは利用頻度が少ないので特に気にならないが、[ESC]キーが[Shift]キー+[Fn]キー+[BackSpace]キーに割り当てられているのは少々使いづらかった。また[む]のキーが[Enter]キー上部に配置されているほか、本来は[Shift]キー左にあるはずの[_]キーが見当たらない。スムーズに利用するには、ある程度の慣れが必要となるだろう。

WN891に付属のキーボード。全64キー構成で、標準的なキーボードよりもキーの数がかなり少ない

個々のキーの打ち具合については悪くはない。キーピッチは実測で17mm前後、キーストロークは実測で約1.5mm程度と、8.9型向けのキーボードとしては検討していると言っていい。入力時に若干のたわみがあるが、固い場所に置いて使えば大丈夫だろう。ソフトウェアキーボードを使うことを考えれば、入力ははるかに快適だ。

キーボードについては配列に多少クセはあるものの、総合的な使い勝手は良好だ。配列に慣れれば、スラスラと入力できるようになるだろう

タブレット本体ごとキーボードカバーを折りたためば、コンパクトに収納可能だ

キーボードカバーを装着したときの高さは21mmで、重量は776gだ。重量の実測値は、カタログよりも1g重い777gだった