交際相手・西嶋啓太(井上正大)から送られてくるSNSの写真は、時に玲奈のプレゼンに役立つが…… (C)2015「東京PRウーマン」製作委員会

――今回に限らず、褒めてほしいタイプ?

私は心配症なので、良かったところは全部言ってほしいです。何も言われなかったら、結構マイナスに考えてしまいます。

――本作には、山本裕典さんが演じる「草壁先輩」というドS上司がいますが、そういうタイプは絶対に無理というわけですね。

無理ですね(笑)。でも、私だったらどこがダメだったのか、どんどん聞いてしまうと思います。彼は仕事においては優秀ですから、何か学ぶべきところがあるはずです。

――山本さんのシーンで印象的だったのが土下座でした。『半沢直樹』以来の興奮だったんですが、土下座演出は他の作品でも目にすることが多い。でも、山本さんはそれらとは少し違って、とても美しい土下座だったんです。

ありがとうございます(笑)。照明さんとかカメラマンさんとか、スタッフの皆さんが頑張ってくださったおかげで撮れたシーンです。でも…1つ分かったことがあります。ヒールでの土下座は、足が痛い(笑)!

――そうでしたか(笑)。個人的に好きなキャラクターだったのが、玲奈の彼氏役・西嶋啓太。デートは基本的にラーメン屋。女心が分からないダメ男ですが、憎めない存在でした。

部屋の中でパンツで歩き回っているのがちょっとイヤでした(笑)。憎めないし、ノリが良いからきっと玲奈も付き合ったと思うんですよね。あっ! それも確かメモ帳に書きました! 西嶋くんとどうやって出会ったのかとか。大学のサークルではノリが良くて人気があって魅力的に感じたけど、社会に出てほかの男性と比べた時にいろいろ玲奈の中で気づくところがあって……みたいなことを書きました。

――仮に続編があったとしたら、別れてもまたよりを戻しそうな気もしました。

どうでしょう。「俺のところに戻って来いよ」みたいに壁ドンとかされたら、笑っちゃうと思います(笑)。

――この物語は一人の女性が、決断や努力によって自分の世界を変えていく話です。山本さんがこれまで自分の中でいちばん変化を感じたのはいつ頃ですか。

小学校から中学校に上がる時です。小学校はすごくおとなしい子で、教室の隅で絵を描いているタイプ。中学校は女子校だったので、正反対にすごくうるさい子になりました(笑)。自分の中では変わりたいなと思っていて、中学校は私立なので知り合いが一人もいなくて。誰も私の暗い部分を知らないので、明るくなれました。中高一貫校だったので、高校では演劇部に所属しました。

――その後、大学入学のために福岡から上京。卒業から1年経ちましたが、最近は役の幅も広がってきましたね。U.F.O.の保健室のツンデレ先生なんか、すごかったですね。

いろんな役をやらせてもらっていますよね(笑)。おかげさまで、U.F.O.も反響すごかったです。いただいたお仕事と向き合い、演じているんですが、確かに役柄だけで見ると最近はまとまりがない(笑)。

私自身は何も変わっていませんが、やっぱりデビューしたての頃は『CanCam』や『桐島~』のイメージが強かったのか、高飛車で女子力が高い女の子の役が多かった気がします。最近はそうでもないので、「モデルの山本美月」以外にも「芝居をやる山本美月」というイメージも浸透してきたのかなと思います。

――そこは、モデル出身の方々の宿命かもしれませんね。

そうだと思います。いろんな作品に呼んでいただいて、そのあたりが少しずつ変化していって。最近は「『CanCam』だったの?」と驚かれることもありました。『CanCam』の私もぜひ見ていただきたいんですけど(笑)、そうやっていろいろなイメージを持ってもらえるのは、私としてはとても幸せなことです。

■プロフィール
山本美月
1991年7月18生まれ。福岡県出身。身長167cm。O型。2009年7月に行われた第1回「東京スーパーモデルコンテスト」に出場し、グランプリを受賞。以後、『CanCam』の専属モデルとして活躍する。2011年にはフジテレビ系『幸せになろうよ』で女優デビュー。2012年には『桐島、部活やめるってよ』で映画初出演を果たし、これまで『黒執事』、『東京難民』、『女子ーズ』、『近キョリ恋愛』、『小野寺の弟・小野寺の姉』など数々の映画に出演。現在放送中の月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)に出演中。