SIMフリーのモバイルルーター

前項のキャリアが販売する製品に加え、SIMフリーのモバイルルーターも販売されているが、多くの製品は実質ドコモ回線専用のような状態だった。もっとも、SIMフリールーターは主にMVNO回線を使うものだと仮定するなら、MVNOの大半が利用するドコモ回線さえ使えればほとんど問題はないと言っていい。

MVNO回線を使うメリットは、何と言っても通信コストの安さだ。キャリアもモバイルルーター向けにはデータ通信専用の比較的安価なプランを用意していることがあるが、MVNOであれば通信速度を問わなければ、月額500円前後から利用できる。LTEの通信速度をフルに生かしたい場合でも、月額1,000円以内で選択肢がたくさんある。

ドコモ回線のMVNOを使うならドコモ用のモバイルルーターを中古などで調達してもいいわけだが、SIMフリールーターのメリットとしては、LTEのバンドさえ合っていればauやソフトバンク系のSIMも利用できる点にある。実際、両社のプラチナバンドに対応したルーターも登場しており、いざというときにどこの回線でも使える安心感は高い。

現在“最強”の名も高い「Aterm MR04LN」。LTE-Advanced対応(最大300Mbps)で、800MHz/1.5GHz/1.7GHz/2GHzの4つの帯域に対応している

もう一つのメリットとしては、海外旅行中に現地の安いSIMを購入して利用できる点だ。海外で国内キャリアのSIMを使うと割高なローミング料金になってしまい、とてもではないが割に合わない。現地のSIMを運用するならSIMフリールーターが唯一の選択肢だ。

デメリットとしては、販売店やサポート情報も少ないことなどが挙げられるだろうが、そもそもSIMフリーのモバイルルーターを活用したいという人は、知識や経験の豊富なユーザーが多い。自力でなんとかできる人向けと言っていいかもしれない。

次回はキャリアから販売されているモバイルルーターの選び方について紹介する予定だ。 (記事提供: マイナビニュース・携帯ch)