米国の携帯電話業界の地殻変動
このタイミングで噂が出てきた理由について、少し考えて本稿を終えようと思う。
まず、米国の携帯電話業界の地殻変動からだ。
Verizon首位、AT&Tが第2位という構造は長らく変わらないが、3位でソフトバンク傘下のSprintを追い越し、4位だったT-MobileがSprintを逆転して3位になった。T-Mobileはもともとプリペイド中心のキャリアだったが、これを転換するために「Uncareer」戦略を次々に打ち出し、注目を集めているキャリアだ。
家族や夫婦向けに、データをたっぷり使えるプランを低価格で用意しながら、2年縛りの撤廃や、人気がある音楽ストリーミングサービス分の通信を無料化するなど、月額料金を支払うスマートフォンユーザーの取り込みを成功させている。
筆者も昨年12月に最大手のVerizonからT-Mobileに乗り換えたが、サンフランシスコ近郊のバークレーでは、平均して下り50Mbps、上り25Mbpsという高速通信が楽しめ、2GBしかなかったデータ通信量も無制限になり、価格も30%安くなり、非常に満足度の高いサービスを受けられるようになった。
こうした施策を次々と打ち出す新興キャリアが成果を上げており、米国でも携帯電話市場への変革の気運が高まっている点が挙げられる。