ハイエンドRadeonだからこそ超解像処理で遊びたい
それではゲームにおけるパフォーマンスをチェックしたいが、その前に一つオススメしておきたいのが、Radeonのドライバに組み込まれた超解像機能「VSR」の利用だ。
これはGeForce系の「DSR」と同様に、液晶の物理解像度以上の解像度でレンダリングし、それを画面に合わせ縮小表示するというもの。こうすることでフルHD液晶でも4K並の解像感が得られる。当然負荷も4Kと同じになるが、そこはRadeon最速のFury Xだから大丈夫。むしろ軽めのゲームをプレイする際は、ぜひVSRを試していただきたい。
「Catalyst Control Center」を開き「マイデジタルフラットパネル」→「イメージスケーリング」の「仮想超解像度を有効化」にチェックを入れることで、VSRが有効になる。あとはゲーム側から好きな解像度を選ぶだけだ |
まずは「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」公式ベンチで試してみる。画質は"最高品質"、解像度はフルHDとVSRを効かせた設定の2通りで試した。
元々ミドルレンジGPUでも快適動作可能なゲームだが、Fury Xなら最高画質設定でも全くカクつきなしの描画が楽しめる。VSRで4K相当にするとフレームレートは落ちるものの"快適"プレイに必要な性能は十分確保できる。Core i7-4790KとFury Xのタッグはかなり強力だ。
続いては重量級「ウィッチャー3 ワイルドハント」。このゲームではGeForceにかなり最適化された毛髪&毛皮表現「HairWorks」が使われ、この処理が重いことで有名だ。
そこで今回は解像度フルHDでは最高画質(アンビエントオクルージョンはHBAO+)に設定し、HairWorks有効(HairWorks AAは標準)と無効状態で比較。さらにVSRを利用した4K画質では最高画質とプリセットの"高"設定で比較するが、4Kでは処理の重いHairWorksはどちらも無効化してテストしている。
テストはフィールド移動時のフレームレートを「Fraps」で測定した。HairWorksをオフにするだけでフレームレートが一気に上がる点にまず注目。このゲームをFury Xでプレイするには、HairWorksはオフ(または設定下げ)がオススメだ。
HairWorksが切ってあれば、フルHD&最高画質設定でも60fps近くで快適にプレイできるが、4Kだとさすがにカクつき始める。画質をプリセットの"高"へ落とせば30fpsは確保できる。これは現状のシングルGPUでの限界のようなものだ。
最後に「GTAV」(Grand Theft Auto V)でのパフォーマンスも見てみよう。今回は画質関係を「超高」に統一+MSAA 4Xの設定を"超高"、「高」統一+MSAA 2Xの設定を"高"としている。テストはGTAV内蔵ベンチマークモードを利用し、pass0~pass4までの平均fpsを比較する。
フルHDなら"超高"設定でも平均60fps以上の快適なプレイが楽しめる。今回は"高度なグラフィックスオプション"は全オフだが、もう少し画質を盛ってもプレイできそうだ。しかし4Kでは「ウィッチャー3 ワイルドハント」と同様にフレームレートが落ちるため、画質を下げる必要がある。特にこのゲームではカーチェイスなどで動きの速いシーンが多いため、30fpsでは無茶な運転がやりにくい。ただFury Xのパフォーマンスなら"高"設定でも十分プレイ可能だ。
まとめ
今回しばらく「NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2」を使ってみて感じたのは、一番熱を発するGPUが水冷なうえ、限界まで回してもGPU温度は64~66℃で安定するということだ(室温は約27℃)。真夏でも動作に全く不安がない部分が一番気に入った。
ただ通気性を重視する設計に加え、GPUの水冷ポンプが常時動作するため、静音性が犠牲になっている点は少し気になった。アイドル時でも正面30cmからのファンノイズは約45dBA、ゲーム中は48.7dBAまで上昇した(暗騒音は約35dBA)。静かにゲームを楽しみたい人には少々向かないかもしれない。
しかしながら、重量級ゲームを高画質で遊びたい人、特にRadeonに強いこだわりを持っている人なら、本機は最高の選択だ。CPUがCore i7-4790Kなので、ゲーム以外での処理性能にも全く不安要素はない。直販価格は税込みで約23万円だが、Fury Xが非常に高価(約11万円)なことも合わせると、結構お買い得なマシンといえるだろう。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2 |
CPU | インテルCore i7-4790K |
メモリ | 16GB PC3-12800 DDR3 |
HDD | 2TB SerialATAIII |
チップセット | インテルH81 Express |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | AMD Radeon R9 Fury X |
OS | Windows 7 Home Premium 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.0×2(前面×1、背面×1)、USB 2.0×4(前面×2、背面×2) |
サイズ | W196×D430×H417mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 219,800円(税別) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2015/7/23(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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